民進党は29日午後、「加計学園疑惑調査チーム」(桜井充・今井雅人共同座長)の会合を開いた。

 冒頭、桜井座長は、国家戦略特区制度による獣医学部新設を巡り、設置予定地となった今治市に調査協力の依頼をすると述べた。また国家戦略特区制度により医学部新設を巡り国際医療福祉大学(千葉県成田市)に同様の疑惑があるとし、この疑惑調査チームで究明すると表明した。

 会合に先立ち特区の新設条件について、京都産業大学(京都市)が「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域」に含まれるか否かの回答を求めたが、内閣府は過去の国会答弁を抜き出し資料として提出。詳細の説明を求めても関連する答弁を読み上げることにとどまり、新たな説明はなかった。

 玉木雄一郎議員は、内閣府が石破4条件とは別に、京都市と今治市の比較検討の際の3つの観点を持ち出し説明を始めたことに対し、4条件にあっているかどうかが問題だとし、「自分たちが正しいようにすり替えているが、そもそも根っこの議論をすり替えている」と指摘した。

 また京都市(京都産業大)と今治市(加計学園・岡山理科大)との比較をした際の3つの観点として、(1)専任教員の確保(2)地域との連携(3)水際対策――を挙げたが、桜井座長は京都産業大学について2004年の北近畿で起きた鳥インフルエンザへの対策を行った実績があることなどを指摘し、何を指標とし比較し加計学園が優れているのか説明を求めた。

 内閣府は、「過去にそれぞれの大学がどういう研究実績を持っているかということについては、これから新しい学部を作ろうとする問題なので、プランを比較検討することにした。過去の実績は検討の考慮に入れているということではない」と回答した。

 また、今年1月4日に事業者の公募を始めるまでに山本幸三大臣が判断したと説明があったため、比較した際の比較表や記録などの提出を次回までに求めた。