枝野幹事長は6日、桜井充候補の応援演説のために訪れた宮城県仙台市で、記者団の取材に応じた。

 最終盤の選挙情勢について改憲勢力が3分の2に迫る勢いと報じられていることについては、「半年ぐらい前の状況から考えるとかなりの選挙区で競る状況になっていきている。一本化の成果も含めて、この半年ぐらいの間に急激に状況を変えることができたが、問題は最後勝ち切れるかどうか、残り3日の勝負だ」と述べた。

 残りの選挙戦をどう戦っていくかとの問いには、「ここからは、いかに熱い想いを込めて訴えるかという熱量と、運動量で決まってくると思うので、候補者も応援に回るメンバーも、運動量と熱量を最大にすることだ。訴えの中身は、それぞれの候補者が一番熱く語れるテーマを語るべきだが、共通して言えるとすれば、サイレントマジョリテイーに『サイレントではマジョリティーにならない、しっかりと投票行動を通じて、声を上げていただきたい』ということ。それを訴えていきたい」とした。

 宮城選挙区の状況については「まさに大激戦で、ここからの戦いでどちらの結果もありうるという緊迫した状況」との見方を示し、野党共闘の成果については「ここまで互角に勝負ができたというのは、やはり一本化の効果は大きかったと思う。ただ当選に結びつけないと意味がないので、残りの運動で勝ちに行きたい」と意欲を示した。

 また、宮城の前に田名部匡代候補の応援のために入った青森県八戸市では、青森選挙区での戦いぶりについて問われ「運動量と熱量の勝負だが、熱量は今日の田名部候補本人の訴えを見て大丈夫だと。あとはこの熱量を持って、いかに運動量を最後まで高めていけるか、そこが勝負だ」と語った。

【東京電力の原発事故報告書】 

 記者団から、東京電力の第三者委員会の報告書に対して民進党が抗議していた件で、東電から事実上のゼロ回答だったことについて受け止めを問われ、「事実関係の調査をやらなくて構わないという、2011年3月11日以来の東京電力の体質が顕著に表れている」と述べ、「特に佐々木善三弁護士をはじめとする弁護団、第三者と称する人たちの話は、とても理屈になってない」と厳しく批判した。今後については内容を精査した上で「強い姿勢で臨まざるをえない」とした。

 東電側が「当時の官邸側に責任転嫁をするつもりはない」「選挙妨害をしているというつもりはない」などとしていることについては、「報道がどういう受け止めをされるかを考えれば、彼らがどういう意図であったかというような言い訳は、まったく言い訳にならない。真摯(しんし)な姿勢すら見えない。百歩譲って、『誤解を招くようなことがあったら申し訳ない』くらいは、人の道から考えても常識だと思うが、そういうこともない。本当にひどい」と憤った。