民進、共産、自由、社民の野党4党の国会対策委員長は9日夕、大島衆院議長に対し10日の衆院本会議を開かないよう申し入れを行った。10日の衆院本会議は、同日の衆院議院運営委員会で佐藤議運委員長が職権で決めたもの。与党は、TPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案について10日の衆院本会議での可決を目指している。

 山井和則国対委員長は申し入れ後、記者団に対し、「大島議長からは、8日の本会議を延期し、『与野党で引き続き協議をしてほしい』とお願いした経緯もあるので、『分かりました』とは言えないという回答だった」と報告。野党4党としては、「本会議が予定されている13時まで時間があるので、ぜひ4党の思いを受け止めて善処していただきたい」とあらためて強く要請したと述べた。

 そのうえで、10日の衆院本会議開会に反対する理由として、(1)野党からの山本農水大臣の辞任要求に対してゼロ回答であること(2)TPPの審議もまだまだ十分だとは言えない状況であること(3)米国の大統領選挙でTPP撤退を明言しているトランプ氏が勝利した翌日に強行することはあり得ず、国民の理解、世界の理解が得られないこと――を列挙。野党4党では、衆院本会議の代わりに衆院予算委員会の集中審議の開催を申し入れているとして、「株価も下がっており、日米関係は今後どうなるのか。さまざまな議論をする必要がある」と述べた。