衆院予算委員会で8日、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議が行われ、民進党の3番手の宮崎岳志議員が(1)森友学園問題(2)加計学園問題――等に関して質問した。

 宮崎議員は、森友学園問題をめぐって自民党の竹下国会対策委員長が「首相に対する侮辱だ」などと述べて籠池氏の証人喚問を行ったのは自民党主導だったではないかと指摘し、「籠池氏のことをうそだというなら、昭恵夫人も国民の前に出てこないと説得力がない」と語った。宮崎議員はまた、籠池氏と財務省の田村・国有財産審理室長が昨年3月15日に面会した際に籠池氏が録音したとされる音声データや、民進党の森友学園への国有地売却問題解明プロジェクトチームが28日に実施したヒアリングでの籠池氏の証言からは「昭恵夫人の関与は具体化し鮮明になった」との見方を示した。籠池氏が交渉結果を昭恵夫人に報告していると当時の財務省の担当者に向かって話していたことを民進党のヒアリングで明らかにし、土地払い下げの具体的な状況についても籠池氏は当初から昭恵夫人に逐次報告、森友学園の名誉校長就任後は20回を超えて業務として報告したと語ったことなどに言及し、「こうしたことを説明するのは総理には無理。やはり昭恵夫人にご説明いただくしかない」と昭恵氏の参考人招致を求めたが、安倍総理は「もうすでに何十時間も議論し、(私が)家内のことについても誠実に答弁している」などと述べ、参考人招致にはあくまでも応じない考えを強調した。

 宮崎議員はまた、学校法人家計学園の問題についても取り上げた。安倍総理の知人が理事長を務める学校法人加計学園が、国家戦略特区の指定を受けた愛媛県今治市に獣医学部を新設したことに関して、獣医学部をつくる事業者が複数の候補から加計学園に絞り込まれた経緯が不鮮明だとの見方を示し、質問した。

学校法人加計学園をめぐる安倍政権人脈

学校法人加計学園をめぐる安倍政権人脈

 パネルを提示しながら、加計孝太郎理事長は安倍総理の親友、昭恵夫人は同学園の系列こども園の名誉園長、昭恵夫人と当時の下村博文文科大臣の妻は系列小学校のチラシにコメントを寄せ、文科省OBで昨年まで内閣官房参与だった木曽功氏は参与在職中に同学園理事と傘下の千葉科学大学の学長に就任、文科省天下り問題の舞台となった公益財団法人文教協会の常務理事だった文科省OBの豊田三郎氏は天下り問題発覚まで同学園理事を務めていたこと、傘下の千葉科学大学の客員教授に萩生田内閣官房副長官や元総理秘書官の井上義行参院議員などが名を連ねていることなどを説明し、「学校関係者の顔ぶれはまさに安倍政権のお友達ばかり」「こういった状況からみると(国家戦略特区の指定への)決定がどういう過程で行われたかをきちん国民に明らかにしないといけないと思う」と宮崎議員は述べ、関係者の参考人招致を求めた。

 加計孝太郎理事長が獣医学部をつくりたがっていたことを安倍総理がどのタイミングで知ったか、国家戦略特区の枠組みを使いたがっているということを総理がいつから把握していたかとの問いに安倍総理はこれまでと同様、徹底してはぐらかしの発言に終始し、宮崎議員の問いに答えなかった。

PDF「衆院予算委員会 宮崎岳志議員配布資料」衆院予算委員会 宮崎岳志議員配布資料