蓮舫代表は19日夜、通常国会閉会にあわせて開かれた安倍総理の記者会見を受け、党本部で記者団の取材に応じた。

 蓮舫代表は、「言い訳と自画自賛。一体何のために開いたのかまったく分からない。この40分(の会見時間)があれば国会で閉会中審査を開いて私たちに向き合っていただく方が、総理が国民の皆さんの不安や不満の声に答えているという姿勢に映ったのではないかと思う。非常に残念だ」とコメント。総理の発言のなかに「加計学園」という言葉が一言もなかったことには、「各社の世論調査を見ても、加計学園や森友学園の問題に対する国民の疑惑が高まっていることに気づいていないのか、あるいは気づいているのに話さないのか。どちらにしても鈍感な姿勢はまったく理解できない」と厳しく非難した。

 安倍総理が規制改革をめぐり、「私自身がドリルになって岩盤を突破していく」と発言したことにも触れ、「今問題になっているのは安倍総理自身がドリルとなって規制を突破したら、その穴を通れるのは総理のお友達だけだということ。それにもかかわわらず、まだそのようなことを言い続けるのかと驚いた」と述べた。また、人材育成を考える有識者会議「みんなにチャンス!構想会議」を立ち上げる考えを示したことには、「いろいろな会議体を作るのは結構だが、みんなにチャンスの前に友人だけ優遇疑惑にまったく答えていない。今まで指摘されている問題や、国民がおかしいと思っている疑惑に説明がないまま自画自賛し前に進めていこうという姿勢はまったく理解できない」と指弾。「一方的な記者会見を開くのではなく、閉会中審査を開き、前川・前文部科学事務次官の証人喚問も行い、野党の質問に向き合ってほしい」と求めた。

 蓮舫代表は、20日に野党国会対策委員長会談を開き、与党に対し閉会中審査の開催を強く求めていく考えを表明。党の加計学園疑惑調査チームも、今後も精力的に会議を開催していくとした。

 「安倍内閣は説明をしていない、『丁寧に』と言いながら逃げる。一方で自分たちが通したい法案は強行採決を行う。こうした姿勢に対し、国民の皆さんからは『おかしいのではないか』という声が上がっているが、総理の会見はこの声にまったく答えておらず残念だ。総理のために開く記者会見は意味がない」と断じた。