前原誠司代表は23日、愛媛県西条市を訪れ、衆院愛媛3区(新居浜市、西条市、四国中央市)の党公認候補予定者である白石洋一(しらいし・よういち)総支部長とともに「白石よういちを囲む会」に参加した。

 前原代表は、白石洋一総支部長について、元日から街頭演説に立ち、1軒1軒訪問し歩いて靴底をすり減らす活動を落選中の5年間続けてきたと紹介。「本当に真面目」と評した。

 安倍総理が臨時国会冒頭の衆院解散の方針を固めたと報じられていることについては、野党4党が6月22日に憲法53条に基づき臨時国会の開会を求めたことに触れ、「憲法に書いてあることを無視し続け、ようやく開くと思ったら議論を全くせずに冒頭解散。こういうのは覇道どころか邪道。宰相の王道ではない」と厳しく批判し、このまま解散となれば、「逃げているとしか思えない」「安倍総理がさらにこれからも続けて政権の中枢を担うことを認めてはいけない」と述べた。

 「自民党しか選べない国民の不幸に対して、しっかり責任を果たすというのがわれわれ野党第1党の責任。責任を果たす。白石洋一さんを勝たせることが、皆さんに新たな1つの安心の選択肢を示すことになる。5年間苦労した洋一さんのためではなく、全ての国民の皆さん方のためだ」と前原代表は述べ、白石洋一氏への支援を訴えた。

 白石洋一総支部長は、幼少の頃、手伝いをしていた父の工場で野球のラジオ中継を聞いていた時、お客からどちらのチームを応援しているのか問われた父親が「わしは、弱いほうを、負けとるほうを、いつも応援しよんよ」と語ったことが、今の自分を形成したと話し、就職も1番を目指す2番手の銀行を、政治でも弱い立場・庶民の立場を応援する当時の民主党に加わったと説明した。

 また「生活に本当に困っている方は、自宅に居てうずくまっている。政治に期待していないかもしれない。投票所にいったことがないかもしれない。でも、その方の気持ちを知ることが大事」と語り、この5年間、地域をまわる活動を毎日してきたと報告。「私には、生活の切実な思いが、声が体一杯に詰め込まれています。皆さんから託された声を国会まで届けなければならない」と語り、来たる選挙に向けての協力を呼びかけた。

 会合後に記者団の取材に応じた前原代表は、愛媛の選挙区が補欠選挙ではなく解散総選挙になる可能性が強くなった影響について、「当初は昨日・今日と入念に回らせていただく予定だったが、この演説会と個人的な訪問ということになりました。いずれにしても全国規模の選挙であるし、四国の各選挙区、あるいは比例の上積みを目指して、これからもしっかりテコ入れをしていきたい」と語った。

 野党連携については、「小選挙区であるので、与党は自民党か公明党が立ってくる。したがって1対1に持ち込むことが小選挙区にとっては望ましい。まずは理念・政策、政権選択の選挙であるということをしっかりとらえながら、さまざまな野党との連携をしていきたい」との考えを示した。

 具体的な時期や実現可能性については、「解散になるのではないかと言われてから、幹事長中心に各党との接触をさせていただいている」「(告示日の10月10日までに)各選挙区を含めて、話を煮詰めていきたい」と語った。

 愛媛の選挙区で勝つためのポイントを問われると、「今日(の講演で)話したように、大義なき解散であると申し上げながら、われわれの目指す社会像をしっかりと訴えていくことが大事だ」と述べた。

白石洋一総支部長

白石洋一総支部長

予想以上の来場者が多く詰めかけた

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ガンバロウ3唱で集会を締めた

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