蓮舫代表代行は2日、北海道を訪れ、12日に告示される衆院北海道5区補欠選挙に立候補を予定しているフリーソーシャルワーカーの池田真紀(いけだ・まき)さんとともに石狩市、札幌市、恵庭市内で街頭演説を行った(写真上は、新札幌駅前での街頭演説会)。

蓮舫代表代行

蓮舫代表代行

 蓮舫代表代行は、「今の政治、今の政権、今の暮らしはどうですか」と切り出すと、安倍政権発足から3年、アベノミクスの恩恵は一部に限られ、格差は拡大、子どもの貧困は進み、日々の暮らしは厳しくなっていると指摘。「次の世代、未来に希望を残さない政治が安倍内閣だということが明らかになった。だから今、地域の声を代弁する国会議員が必要だ。池田まきさんは、社会福祉の現場で高齢者の声に耳を傾け、生活保護で暮らさなければいけなくなってしまった人に寄り添ってきた。支え合い、お互い思いやらなければ生きていけないことを実感し、人々に寄り添う政治を実現する地域の代表が必要だ」と訴えた。

 女子中学生が2年間にわたって男子大学生に監禁されていた事件にも言及し、「なぜ子どもが健やかに育つ環境がないのか。右上がりで伸びる子どもへの虐待件数。いつからこの国はいじめや事件、事故で不安がいっぱいになったのか。政治はどうしてこの現実に目を向けてこなかったのか」と提起。豊かな者、強い者、景気対策にどんどん予算が使われるなか、残念ながら子育て・教育への支援が先送りされているとして、「この現実にしっかりと『やめてもらいたい』と声を上げてもらいたい。一人ひとりの声は小さいかも知れないけれど、つながれば、広がれば、絶対に大きなうねりとなる」と呼び掛けた。

池田まきさん

池田まきさん

 池田さんは、「安全保障関連法を廃止し、立憲主義、民主主義を取り戻すために立候補を決意した。一人を大切にする、一人を見捨てない政治、社会をつくっていきたい」と表明。自身も子ども時代やシングルマザーとして2人の子どもを育てていくうえでいろいろな生きづらさがあったと話し、心が折れそうになったときに励みになった歌が「手のひらを太陽に」であり、子どもの頃からその生き方にあこがれているのが「アンパンマン」だと紹介した。「アンパンマンを大好きなのは顔が似ているからではありません」と笑いを誘うと、「平和を守り、一人ひとりを大切にする。苦しんでいる人には自分を差し出すという奉仕の精神で人を救う」「弱い者いじめをしているバイキンマンをやっつけはしても決して殺さない」とその魅力を語り、「暴力では絶対に平和は築けない。戦争を体験している(両作品の作者である)やなせたかしさんが、平和を語り続けるためにアンパンマンを描いたのだと思う。私はアンパンマンのように生きたいと思い、今もそうした思いで行動しているつもりだ」と力を込めた。

神本美恵子副代表

神本美恵子副代表

 そのうえで、「今の安倍政権の向かう道は危ない。戦争に向かう国になってしまったら、もう二度と取り戻すことができないのが命。そして北海道の大自然、ここに生きるすべての生命、資源も私たちは守っていかなければならない。今その分岐点に立たされているのが衆院北海道5区の補欠選挙だ」とその意義をあらためて強調。「生活を守り、命を守りたい。ご家族の不安に寄り添いたい。政策の違いがあるかも知れないが、それを言っている場合ではない。皆さんと一緒に平和を、命を大切する政治を実現していきたい」と述べた。 

吉川沙織参院議員

吉川沙織参院議員

 新札幌駅前での民進党街頭演説会には神本美恵子副代表、吉川沙織参院議員も参加。安全保障関連法制の強行可決や、いずれかの議院の総議員の4分の1以上が求めれば、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないとする憲法53条を無視して臨時国会の召集を見送るなどの安倍政権の暴走を批判し、「憲法を改正して戦争ができる国にしていいのか。参院選挙で(憲法改正の発議に必要な)3分の2を与党に取らせないためにも大事な選挙」「国民の声が届く国会にするために、弱者の声を届けることのできる人物が必要だ。今の安倍政権にノーをつきつけよう」などとそれぞれ訴え、民進党への支援を求めた。

新札幌駅前での街頭演説会

新札幌駅前での街頭演説会