世界各国の首脳や富裕層、企業とタックスヘイブン(租税回避地)との関係を明らかにした、いわゆる「パナマ文書」の詳細が明らかになったことを受け、民進党は10日午後、同文書について調査する「パナマ文書調査チーム」(座長・緒方林太郎衆院議員)を立ち上げ、初会合を国会内で開いた。

 副座長となった玉木雄一郎衆院議員が会議の冒頭、「パナマ文書の詳細が同日に発表されたので、すみやかに文書の分析、公平な課税のあり方などの政策的な提言をしていくためにこの調査チームを立ち上げた」と説明した。

 続いてあいさつに立った山井和則国対策委員長代理は、「タックスヘイブンは違法ではなく合法とは言われているが、合法的な脱税という部分もあるのではないか」と述べ、「一般市民は税金を払っているのに富裕層は裏技的に税金から逃れるのは一般市民は納得がいかない」と指摘した。

 座長の緒方林太郎衆院議員は、「(この問題が)合法なのか違法なのかという問題もあるが、公平性という観点から重要な話になる」と説明。「パナマ文書のリストに掲載されている名前を日本に属している人に限定して検索すると多くの人数が出てくるが、日本という属性では出てこなくても他の属性の中にもわが国とかかわる方が多くいるのではないかと自分で検索してみて思った」と感想を述べた。

 緒方議員はまた、「この調査チームでは、日本で現在どのような対応がなされているのか、今後どのような対応がなされるのかをヒアリングし、しっかりと対策を講じていきたい」と決意を語った。

 出席した財務省、国税庁、金融庁、警察庁の担当者の説明を聞いて出席議員からの質疑を行ったのち、会合の最後に山井議員は、翌11日14時に第2回会合を開くと報告。「世界中でパナマ文書の件が問題になっているのだから、日本のリストに関して精査するなり情報収集するなり明日までに書面で明確に回答していただきたい」と各省庁に要望し、「国民として疑念を持ってしまっているから、国民が安心するような回答をお願いしたい」と念を押した。