年明けから株価が下落、円高も進んでいる。先日の英国のEU離脱決定で、さらに株価が大暴落。その結果、私たちの大切な年金の積立金に巨額の損失が発生している可能性が高いことをご存じだろうか。

安倍政権による運用見直しで、5兆円超の巨額損失

 もともと、年金積立金の運用は安全第一、必要な利回りを確実に取るため、株式での運用割合は低めに抑えられてきた。しかし、安倍政権は2014年10月、国民に問うことなく、この割合を従来の24%から2倍以上の50パーセントに引き上げた。

 当時、私たちは、「国民の財産である年金積立金を危険にさらしてはならない」と株式運用割合の引き下げを国会で何度も求めたが、安倍政権はまったく耳を貸そうとしなかった。

 株式運用割合を引き上げた直後の2015年度、年金運用でさっそく5兆円の損失が出たことが分かったが、政府は正式にはまだこれを公表していない。例年であれば7月初めに行っている前年度の業務概況の発表を、今年は参院選の投票日後となる7月29日に先送りしている。

 続く2016年度4-6月期にも、英国のEU離脱決定で、再び約5兆円の損失が出たとの民間試算が出ている。

 安倍政権が年金積立金による株式投資を倍増させた理由は、年金給付という本来の目的ではなく、株高を演出するためだと見られている。年金積立金をこのように外的な経済環境や出来事で大きく変動する危険にさらす運用方針を決めた安倍政権の責任は重大。民進党は、年金積立金の株式運用比率を元に戻し、安全かつ確実な運用に切り替えて皆さんの年金を守る。