安住淳国会対策委員長は6日、山形市内で開かれた演説会に出席し、舟山やすえ候補への支援を訴えた。

安住淳国会対策委員長

安住国対委員長

 安住国対委員長は、「弱い人を何とかしたい」という一念で学歴もないところから総理大臣にまでなった故・田中角栄元総理の政治の原点について語り、「なぜこの話をしたかというと、今の安倍総理にそのかけらも感じないからだ。今あの田中角栄さんがいたら安倍総理の引きずりおろしに走っていたと思う。弱い者がどんどん弱くなって、金持ちがどんどん金持ちになるなら政治は要らないから」と安倍政治を痛烈に批判。  

 財務大臣時代に海外を回るなかで、カンボジアやタイ、インドネシアといった国々から、日本には71年前の戦争で多大な迷惑をかけられたが、戦後日本の経済的支援のおかげで学校や橋などができたと感謝の言葉をかけられたと話し、「皆さん、これが隠徳を積む政治ではないか。これが憲法9条ではないか」「日本は陰徳を積んできたからこそ世界から信頼された。それを一言で言えば、経済優先、民生向上、農村と都会の格差を埋めるというのが戦後3大路線だ」「この選挙の戦いは、党派を超えて、一言で言えば戦後来た道を踏み外している安倍政治に対してノート言おうではないかということだ」とアピール。「憲法9条もそうだが、武器や力に頼るのではなく、われわれ自身が豊かになって、もっと余裕ができたら、惜しみなく世界の困っている人たちに対して私たちの手を差し伸べていく姿勢こそ日本のあるべき戦後の歩みではないか。そういうことをやれる人が、競争だけでない農業も守れると思っている」と述べた。  

 また、「農業や漁業は割の合わない仕事。真冬の寒いなか午前4時からカキ釣り漁船で荒れた海に出てカキを獲ってきて、うちの集落のおばあちゃんたちは5時くらいからカキむきやるんだから。寒いし冷たいしあかぎれだらけ」などとその過酷さを語り、「そういう人たちがいるから日本を守れていて、そういう人たちのおかげで都会でいい暮らしをしているのではないか。そういう人間を足蹴にして『金持ちだけどんどん金持ちになりましょう』なんて政治を許していたらこの世は真っ暗闇になる」「政治は庶民のためにある。政治は本来、片隅に置かれた人や声を上げられない人の、その気持ちを汲んで行うもの。地域として光の当たらないところに光を当てるから政治なんだ。税金の使い方を間違ったらだめだ。強い者により多く、貧しい人にはそれなりになんていうのは政治家のやることではない。どうぞ皆さん力を貸していただきたい」と今の安倍政治からの転換の必要性を訴え、支援を呼びかけた。  

 舟山候補に人物については、「参院議員だったが、まあ、まず(言うことを)聞かなかったね。私が財務大臣のとき、与党の質問よりもきつかったから。でも、今考えたら私の方が間違っていた」と述べ、農家の戸別所得補償を「単発の財源で、予算だけでやっていたら、政権が代わって総理大臣が変わったらなくなってしまう」と制度の法制化を強く求めていたことを紹介。「主婦に、普通のおばさんに戻ったが、3年半無駄な時間を過ごさなかったことは3年半ぶりに顔を見て分かった。こういう人に山形の代表として頑張ってもらおう」と激励し、支援を呼びかけた。

舟山やすえ候補

舟山候補

 舟山候補は冒頭、「改憲勢力が3分の2を超えるか」という同日の新聞報道に触れ、「国民の反対の声を聞くことなく憲法解釈を変更し、安全保障法制を強行に制定した安倍政権に3分の2を絶対に与えてはいけない」「歴史に学ばない人は保守とは言えない。自民党の憲法改正草案には、積み上げられてきた歴史を無視して平和を脅かし、自由や権利を制限するような条項がたくさん含まれている。国家権力を縛るための憲法を、国民を縛るための道具に変えようとする憲法改正を認めるわけにはいかない」と危機感を表明。「何が何でも負けるわけにはいかない」と力を込めた。  

 「日本が守って積み上げてきた歴史は、農村社会のありようも同様だと思う。豊かな人間性のある歴史、文化があり、一緒に汗を流して共同体が生まれ、風土を作り出している農村社会はかけがえのないものだ」と続け、「農業は、単に食料を生産する営みを評価するのではなく、農村を形づくっているその役割をどう評価し、どう支援するかという視点での政策が必要だ」と主張。「お金に代えられない価値は全然評価されない、金持ちをより金持ちに、強いものをより強くするアベノミクスのなかで地方、農村、私たち一人ひとりの暮らしがないがしろにされているという今の状況に対して、アベノミクスにすがるのでなく、もう一つの経済の考え方を発信しなければ地方の未来はあり得ない」と述べ、地域が持つ資源、魅力を活かした政策をつくる、支援をしていくことが重要だと説いた。  

 「国の仕事というのは、地域の声をしっかり受け止め、地域の思いを具体化するような、底支えするものだと思う。しかし今の政治では地方の声は国に届かない。今の政治がダメだと言うのであれば、今回の選挙で勇気をもって『今の政治は違う、おかしい』という声を上げて、もう一つの日本の社会をもう一度実現するために一緒に戦ってほしい。議論ができる国会に変えていきたい。うそとごまかしのない政治に、正直にまっすぐに地方のため、未来のため、一人ひとりのために、そんな当たり前の政治に変えていくために一緒に最後まで戦おう」と呼びかけた。

 演説会では、連合山形の岡田新一会長、党山形県連会長の近藤洋介衆院議員、山形県連幹事長の吉村和武県議もあいさつし、舟山候補の必勝を期して支援を呼びかけた。司会進行は遠藤吉久山形市議が務め、多くの地元自治体議員が応援に駆けつけた。

雨の中約1500人が集まり、舟山候補、安住国対委員長の訴えに耳を傾けた。

雨の中、会場いっぱいの約1500人が集まり、舟山候補、安住国対委員長の訴えに耳を傾けた。

嘘とごまかしのない政治の実現へ。必勝期してガンバロウ3唱

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