選挙対策副委員長の玉木雄一郎衆院議員は7日夕、参院選挙徳島・高知選挙区で民進党が推薦する大西そう候補応援のため徳島市内で開かれた集会で演説し、「何とか大西そうさんに国会に来てもらいたい。皆さんの知り合いに10人以上は声をかけ、何としても国会へ送ってほしい」と訴えた。先の衆院北海道5区補欠選挙を戦った池田まき・党衆院北海道第5区総支部長も応援にかけつけ「大西候補は国政に欠かせない存在だ」と語った。

大西そう候補

「安保法を何としても撤廃したい」と訴える大西候補

「安保法を何としても撤廃したい」と訴える大西候補

 会場の大歓声に迎えられた大西候補は大きく手を振り深々と頭を下げながら登壇。大西候補は冒頭、多くの人に支えられてここまで来たことについて謝意を繰り返し述べ、「『徳島の人間に高知のことが分かるか』と最初は懐疑的だった高知の有権者の皆さんからも最近では『高知のためにもがんばってよ』と言ってもらえるまでになった。本当に本当に多くの人に助けていただき、皆さんありがとうございます」と語った。

  「弁護士活動をしてきて政治の動きも見てきたが、安倍政権はあまりにも強引だ。歴史と憲法をあまりにも軽視している。安保法を何としても撤廃させたい。若い自衛官が戦地に送られて戦闘行為を行う。命が奪われ、また命を奪う。これはどうしても我慢ならない」と述べ、国会議員として安保法撤廃に向け働かせてほしいと訴えた。

 安倍政権によって行われようとしている憲法改悪についても、「主権者としての国民の皆さんの権利を大きく損なうことになる。そして軍隊を認めて世界中で戦争ができるようになるというもの。こんな憲法改悪は絶対に阻止しなければならない」と力を込めた。「先の戦争で亡くなった方々に申し訳が立たないと思っている。こんなおかしな政治、そして戦争が目の前に迫っている。何としても撤廃したい」と訴え、「撤廃に向けて大西そうに力をかしてほしい」と参加者に求めた。

玉木雄一郎衆院議員

玉木雄一郎議員

玉木雄一郎議員

 国会審議などを通じて議論するなかで安倍総理ら自民党の二世議員の多くについて「庶民の気持ちが分からない。地方の気持ちが分からない」と感じることが多いという玉木議員。自身のもっとも切実な課題は「裏山から出てくる猪から自宅を守ること」。大西そう候補について、「徳島・高知もそうだが中山間地で生活を営み、人生を送っている皆さんの気持ちや声をくみ上げる政治は、本当に地域で生まれ育ち、地域の思いを背負っていこうという強い思いがある者にしかできない。大西候補には地域の声を国政に届けたいという強い思いがある」と語った。

 安倍総理の参院選での演説の印象を「自慢話と野党の悪口しか聞かない」と断じ、「一国の総理としてはビジョンを語ってほしい思いだ」と注文をつけた。その安倍総理の自慢話のひとつに、安倍政権下の3年間で110万人の雇用増を誇る話があるが、「110万人のうちの90万人は65歳以上の非正規雇用。加えて25歳から45歳の働き盛りの正規雇用は52万人減っているのが実態だ」と指摘。「生活保護受給者は激増している。なぜなら65歳以上の高齢者の生活保護受給者が急増しているからだ」と語った。「さらには年金制度がおかしくなっている。頼んでもいないのに年金保険料を株に突っ込んで、この15カ月で10兆円もの年金積立金が安倍政権下で消えている。第一次安倍政権は『消えた年金』だったが第二次安倍政権は『消された年金』だ」「年金制度がぼろぼろになっていて働かなければやっていけないから働いたのではないか。若い人には正規の雇用がない、高齢者は働かないと老後の生活がやっていけない。これがアベノミクスだ」と問題視した。

応援にかけつけた池田真紀さん(左)、大西候補の義理の妹にあたる高井美穂県議(右)

応援にかけつけた池田真紀さん(左)、
大西候補の義理の妹にあたる高井美穂県議(右)

 「もうどこに飛んで行ったか分からないアベノミクスの3本の矢ではなく、われわれは3本の柱をしっかりと打ち立てていく」と語り、(1)生活をしっかりと支える「消えない」年金(2)保護者の所得によって生じる教育格差の是正に向けた返済不要の給付型奨学金(3)次世代につながる持続可能な農業を可能にする所得補償制度――の3つを行って、誰もが安心して暮らせる社会をつくっていくと述べ、「大西候補はその先頭になって取り組む重要な人材。地域のため、国政のために国会に送ってほしい」と求めた。

会場を埋め尽くした聴衆からも「そう頑張れ!」の声が続いた

会場を埋め尽くした聴衆から「大西頑張れ!そう頑張れ!」と拍手と声援が続いた