19日、枝野幸男幹事長は国会内で定例記者会見を開いた。

 枝野幹事長は、(1)安倍政権が沖縄が反対している北部訓練場のヘリパッド建設作業に着手したこと(2)本日、北朝鮮からミサイルが3発発射されたこと――の2点について冒頭話をした。

 参院選終了直後の11日に安倍政権が沖縄が反対している北部訓練場のヘリパッド建設作業に着手したことについて枝野幹事長は、「年金積立金の運用経過など都合の悪い情報を隠すなど選挙後に公表を先送りする問題点を指摘してきたが、(この問題も)残念ながらこれが正しいことが証明された一つであると言わざるを得ない」と指摘。「相次ぐ国政選挙で沖縄が示している民意を正面から受け止め、より丁寧な形で沖縄と話をしなければいけない」と語った。

 北朝鮮がミサイル3発を発射したことについては「安保理決議に反し、日朝平壌宣言に明確に反する行為。政府において毅然たる姿勢でこれに対して抗議して国際社会と連携してこうしたことを起こさせないようにさらに努力していただきたい」と述べた。

 都知事選について、今後の無党派層への訴え方について記者から聞かれると「都連や鳥越選対で無党派層への働きかけをさらに努力していただけると思っている。出馬表明が告示の2日前だったので、いよいよ週明けが本格的になると見ている。民進党の立場としてもようやく応援する体制が整いつつあるのが率直な状況。必ずしも推薦する各党の支持層が固まっていないから、そうした皆さんに働きかけて支持層を固める、いわゆる地上戦をしっかりサポートしていく」と述べた。

 テレビでの候補者同士の討論会を活発にすべきかどうか、また鳥越候補は街宣の数が少ないという批判については「テレビを通じた討論は一般論として言えば数多くやるのが望ましいが、望ましいと申し上げても参院選の時は(党首討論が)無かったという客観的事実を指摘しておきたい」と述べた。街頭演説に関しては「取材の対象になるのは街頭演説だが、それは選挙の氷山の一角。候補者の性質によるが、選挙はいかにして最大限の有権者からのご指示をいただけるかを戦略的に組み立てていくもの」だとした。

 今後、枝野幹事長や岡田代表が鳥越候補の応援に入るかとの質問に対しては「これから無党派層に働きかけていくためには、あまり政党人が前に出ない方がいいと個人的には思っているので選対にはそう進めている」と述べた。

 参院選を振り返って野党共闘の評価を聞かれると「自民党に対抗する受け皿が有権者の皆さんにわかりやすくなった側面があったのは間違いない。ミクロにあったいろいろな問題とトータルでメリットデメリットを考えるとなかなか定量的に判断できる話ではない」と語った。

 無所属の野党統一候補の会派入りについては「無所属で当選された方の会派は、応援した各党間で円満かつ円滑に結論を出したいと思っているが、まだ手続きや段取りが終わっていないので先走って申し上げるべきでない」と述べた。

 憲法改正について、今後どのような議論をしていくかについては「憲法の議論自体、積極的にやりたい。順番から言って違憲の疑いを強く指摘されている安保法制の憲法適合性がまず最初。立憲主義についての理解が違っているんだからそれについて共通の土俵に立てるのか積極的にやっていきたい」と述べた。また、秋の臨時国会で憲法審査会をどう動かしていくかについては「われわれは今のような立場で憲法審査会の幹事会にのぞむ」と語った。

 公明党の斉藤鉄夫政調会長代理が加憲の項目を半年から1年かけて絞り込むと述べた話を踏まえて、民進党でも絞り込みの作業が必要かという質問には「一貫してよくわからないが、憲法を変えるとすれば、こういう(事象を)変える必要があるからここ(の条文)を変えるというのが先行しなければならないのであって、(憲法を)変えたいからどこが変えやすいかを探すというのは議論の組み立てとして違うというのが基本的な立ち位置。われわれとしては憲法を変える必要があって、そのことが他の政治テーマと比較して優先度が高いことがあるのかどうかについては、常に民主党時代から議論をしている」と述べた。

 衆院補欠選挙の対応について、福岡6区と東京10区に4党の枠組みを続けていくかという質問に対しては「4党で合意しているのは国政選挙についてもできうる限りの協力するということ。できうる限りの範囲はどのくらいになるかというのはケースバイケース」と述べたうえで「わが党として自信の持てる候補を内定しているので内定者にどう勝ってもらうかに向けてすでに努力を始めている」と述べた。