枝野幸男幹事長は23日午後、定例記者会見を国会内で開き、(1)台風被害(2)2016年度補正予算――等について発言した。

 この間相次いで発生した台風9、10、11号の影響により各地で浸水などの被害が出ている状況を受け、被災者や今なお緊迫した状況にある方々に対しお見舞いの意を表明。「ここ数年、いわゆる集中豪雨等の状況が数十年前とはだいぶ違うと実感している。そうしたなかで、それによる被害をどう最小化していくかということは今後の大きな政治課題だと思う」との見解を示した。

 事業規模28兆円とも言われる経済対策の一部を盛り込んで政府が24日に閣議決定するとされる2016年度補正予算(第2次)について、報道によると歳出総額3.2兆円のうち2.7兆円程度を国債に頼るとあることから、「国債の発行は国民の後世代へのツケになる。アベノミクスの成果による増収を誇っていた、その成果はどこに行ってしまったのか。正式に決定した後あらためて詳細を精査した上で党としての考え方を示していきたい」と述べた。

 9月2日告示、15日投開票の民進党代表選挙をめぐっては、「党員・サポーターはもとより投票権を持たない一般の国民の皆さんも含めてこうした機会に民進党やそこに属するメンバーの主張や見識等に関心を持っていただけることになれば大変ありがたい」と期待を込めた。

 臨時国会でのTPP(環太平洋連携協定)承認案や憲法改正の議論については、「臨時国会の対応のあり方については、基本的には新体制で具体的な対応方針を固めてもらうことになる」としたうえで、「TPPには多くの国民が不安を感じているなかで米国の大統領選挙の状況も当初の想定とはだいぶ違ったものになってきていると思う。まずは政府が十分な説明を行うとともに、そうした状況をしっかりと見ながら慎重な対応を求めていきたい。米国の状況を見れば、少なくとも拙速に結論を出せる状況ではないというのは党内的なコンセンサスではないか」「臨時国会での国会方針ということを超えて申し上げれば、自民党はわれわれに『対案を出せ』と言うが、現行憲法のどこにどう問題があって、何をどう解決するために改正したいのかという点についてまったく説明をしていない。網羅的にいろいろなアドバルーンを上げて、どれでもいいから議論しましょうというのは提案とは言わない。したがって、憲法の改正の提案はなされていないというのが私の認識だ」とそれぞれ指摘した。

 2020年東京五輪に向けたコスト縮減については、「招致時に7千億円と言われていたのが2兆、3兆円という膨大な予算になっている。国庫に関わる分については国会としても国民負担の軽減に向けて努力をしていかなければいけない」と主張。小池都知事が五輪予算の検証を行う意向を示していることに触れ、「民進党の東京都連、都議団とも連携をしながら国会、国の立場からまずは内容をつまびらかにしてもらうことについて、知事のさまざまなご尽力を横目で見ながら、われわれもできることについては最大限やっていきたい」と述べた。