大串博志新政調会長が21日、記者団の取材に応じた。

 問 新しく政調会長に選出されて、蓮舫代表は「批判から対案」と言っているがどのような政策づくりをするか。
 答 政務調査会はそれなりになじみがある。その中で二つのことが重要だと思っている。一つは、民進党としての政策を各部門ごとに深めること。政策をアップグレードするのが重要だと考えている。それぞれの部門でいま一度自分たちの持っている政策を深める。これにとにかく力を注いでほしい。もう一つは日々の法案対応。各部門が中心になって熟議を尽くして法案対応や意思決定を行っていただいたうえで、組織的に「次の内閣」で決めて、それが国会での一致した行動につながっていく、組織的な政務調査会のあり方を模索していく。この2点を重視していく。

 問 具体的な政策分野で取り組みたいことは。
 答 蓮舫代表が代表選でも強く訴えてきた「人への投資」。この「人への投資」が安心の好循環社会を生む。政府として安心を醸し出す政策をつくっていくことが消費を増やし経済成長につながる。これがグローバルスタンダードのような政策だ。日本では、なぜかまだアベノミクスという古い経済政策がそこにあるので、世界の標準たる安心をつくって経済成長につながる世界標準をわが党から発信していく。

 問 マニフェストづくりはどう考えているか?
 答 衆院は常在戦場だと思うし補選もある。これをにらみながら、先ほど申し上げた通り、各部門における政策の深化、アップグレードには早急に着手してもらって、どの時点で時期が区切られてもその時点で一定の政策を打ち出せるように準備していくのを政調全体でやっていく。

 問 新潟県知事選は原発再稼働が争点になるが、泉田知事が避難計画は不十分ではないかと言っている姿勢はどう評価しているか。また、県知事選で泉田路線を継承する候補を擁立すべきということについては。
 答 県連のみなさんとの対話で生まれてくること。再稼働については私たちはご案内のように極めて高い安全性の確保がされたものから、再稼働しつつ、合わせて国も責任をもって避難計画をしっかりと提示できるようにする。その中で再稼働を考えていくポリシーがある。これは堅持しながら一つ一つの事例について判断していきたい。地元の声も聞きながら判断していく。

 問 新潟県連は米山隆一氏を野党統一候補とすることを拒否して不戦敗になるが、こういう対応で安倍自民党と対峙(たいじ)できるか。
 答 地方選挙をどう戦うかは、地方独自の特性も事情もある。国会のなかでは安倍自民党にしっかり対峙しながら各地方の実情を踏まえながら対応していきたい。

 問 人事について伺いたい。今回の人事は身内で固めた人事という指摘が一部ある。これについての受け止めを。
 答 人事は蓮舫代表を中心として行われるものなので口を挟むものではないが、蓮舫代表が選挙戦でもみんなが力を発揮できる民進党をつくっていくんだというのは繰り返し言っていた。人事は今日発表するのもあるが、これから発表するものもある。相対的にみて、全員が力を発揮して全員野球できる体制になっていくと期待している。

 問 「オール・フォー・オール」の旗は掲げたのか、それともたたんだのか。
 答 「オール・フォー・オール」は前原候補が代表選で力説された。それに対して、蓮舫候補も当時、共感できるアイデアだと言った。具体的に皆で負担をシェアしながら、皆が暮らしていくうえで必要なものは、ちゃんと政府が行政サービスとして受けられるようにしようという考え方。具体的に議論する中で基本的な考え方に大きな隔たりはないので一つひとつ政策の中で結実したい。
 蓮舫代表は選挙戦の中で「オール・フォー・オール」という言葉は使っていない。訴えていたことはあくまでも人への投資であり、安心が好循環を生む好循環社会。これが中心の考え方。「オール・フォー・オール」とかなり違うかというとかなり近いものがある。

 問 野党共闘について、蓮舫代表は民進党として旗を立てて(結集するかは)各党が判断することだと言っていたが、各党との連携で考えていることはあるか。
 答 まずは民進党としての政策を深化、アップグレードしていくことが基本になければいけない。国会での共闘も国対委員長がいろいろなことを考える。ある意味、武器が政策。国対とも連携しながら、どういう形で国会での連携を行い、ゆくゆくは選挙につながっていくかは選対委員長の判断もある。まずは政調としては民進党らしい政策のラインナップをそろえるということに特化して力をつけていく。

 問 参院選で自民党と公明党から民共批判、野合批判があったが、それに対して政策面ではどう答えていくか。
 答 参院選の中でも、基本的な政策、綱領が違うところと連立政権は組まないと繰り返し申し上げてきた。そういう考えの中で参院選公約づくりに携わったが、そこには民進党としての色を表したつもり。基本的にはそういった立場から私たちの政策をつくる。

 問 今回の人事について、蓮舫代表からどのような形で打診を受けたか。それを受けて、どのような決意を固めたのか。ご自身の強みの分野は。
 答 代表からは「しっかりお願いします」ということに尽きた。政調の経験もあり、そこを買っていただいての登用だと思う。私の方から、「頑張ります」と申し上げた。どういう点で力を発揮するかというと政調の役割として、今回2つしっかりやってもらいたい。各部門で政策を深める。旧民主と旧維新とそれぞれ良い政策をつくっていた。それが一部は政府にも取り上げられている面もあって、さらに私たちとしては、政策を前に打ち出していく必要がある。党をデパートに例えると良い政策があって初めてお客さんが来てくれる。いい政策のラインナップをつくる。政調という活動を通じて党が熟議と決定とそれに基づくフォロワーシップ、こういった組織として働く面を組織の文化として根付かしていきたい。政調をやってきたから着眼できる点だ。

大串政調会長会見