馬淵澄夫新選対委員長が21日午後、記者団の取材に応じた。

 問 衆院解散もささやかれる中での就任だが、勝利に向けてのシナリオをどのように描いているか。
 答 2012年に下野して以来3年9カ月中3年5カ月間、幹事長代理、幹事長代行、選対委員長そして特命副幹事長と選挙実務に取り組んできた。全国を通して、選挙体制がぜい弱になっているのを痛感している。あと3カ月でどのくらい高められるかと課題はあるが、295選挙区の候補者の擁立と合わせて体制構築に最大限注力していきたい。

 問 過去には全ての選挙区に候補者を立てられなかったというのはあるが、ここについてはどう考えているか。
 答 下野した段階で56議席。そこからいきなり過半数をとるような候補者を擁立できなかったのは仕方がない。参院選含めて、今まで多少なりとも勢力を回復しつつあるから、ここから反転攻勢を含めて候補者擁立と候補者のみならず県連体制や友好団体との連携強化、こういったものをしっかり作り上げる。さらには党本部が現場に入ってその底上げを図る。全党一丸の取り組みを行わなければいけない。

 問 代表は代表選を通じて衆院選での共産党との関係を見直すと言っていたが、野党共闘についてはいかがか。
 答 特命副幹事長として北海道5区の補欠選挙で初めて野党統一候補を作った一人だと思っている。参院選でも32の1人区で対策を施して11選挙区で勝利を得ることができた。そこでは成果と課題がはっきりした。これについては慎重な対応をしていかなければならない。今後は、十分検討して慎重に進める。

 問 成果と課題とは何か。
 答 さまざまある。すべてつまびらかにすることはできない。ただこれは双方あるのでどう解決していくかこれを慎重に検討して進めていきたい。

 問 安倍政権は野合批判と言っているが、政権選択選挙ということになると政策の一致が必要だと思うがその辺の大局は。
 答 政策については、政調会長が民進党の政策をしっかり作るとおっしっている。われわれは選挙の実務の部隊なので、その中で選挙対策としての実務上の課題がどのようにでてくるか。あるいは成果としてどのように評価するべきかということ。これをきちんと検討して進めていくべきか。今は慎重に検討するのが一番。

 問 柏崎刈羽原発を左右する新潟県知事選で新潟県連は野党統一候補として提案された米山隆一氏を拒否して、このままだと原発再稼働ありきの安倍自民党の推薦する候補が勝利すると言われている。その中で民進党がなぜ執行部として候補者を擁立しないのか、その辺の理由を。
 答 一義的には県連の判断。県連は常任幹事会で自主投票を決めたと聞いた。米山さんが常任幹事なのでご本人含めての判断だ。県連の判断を一義的に受け止めるのがわれわれの姿勢。本部がなぜ手をさしのべないのかということだが、組織上は県連から申請ということになっている。現時点では県連の判断を受け止めるということ。

 問 都知事選は執行部が候補者を差し替えたが、なぜ都民の安全にもかかわる原発再稼働を左右する新潟県知事選で執行部が動かないのか。
 答 それは前執行部の話だ。少なくとも18日に決定していると聞いているので、県連の判断を尊重すべきと考えている。

 問 10月の補選について。東京10区の鈴木候補と会うと聞いているが、すでに会ったのか。
 答 会うのはこれから。特命副幹事長としてすでに福岡6区には再三入っている。保守分裂という複雑な状況で枝野前幹事長の命で入っていた。東京10区はその時点では特命を受けていなかったので一度も入っていないが、今回選対委員長なので鈴木氏からも一度話をと言われているので、話を伺いたい。10区を含めた責任者としてしっかり話を伺いたい。

 問 補選は時期が迫っているが、共産党も候補者を擁立しており候補者調整の考えはあるか。総選挙を見据えてどのようなスタンスで調整に臨むか。
 答 総選挙は3カ月後か先かわからないが通常国会冒頭解散は十分に可能性があると考えているので、3カ月の間にどこまで成果と課題についてしっかりと検討して慎重に対応できるか詰めていきたい。その目前にある補選はいま申し上げた長期の3カ月のスパンから逆算してバックキャストした観点から判断していきたい。

 問 共産党との共闘について、慎重に検討を進めるということだが、野党4党は国会内外でできるだけの協力をしていくという従来の枠組みを維持したうえで検討するのか。
 答 4党の合意はすでに確認されていることなので、それは否定はしない。今回は、衆院であれば政権選択選挙なので成果と課題を慎重に検討して対応を進めていきたい。

 問 選挙は共産党との共闘ばかり言われているが、前回の参院選では4党プラス市民連合だった。市民とのかかわりはどう考えているか。
 答 北海道5区の補欠選挙で責任者として北海道入りし、池田真紀さん含めて周囲の皆さん方を巻き込んでいく選挙ができきた。これからまた今までやってきた選挙対策とは違う広がりを見せると思っているが、具体的な投票行動につながるかはまだ大きな課題がある。そこをどう結び付けるか単に運動でなく投票行動に結びつけるようグリップさせるのが課題。

 問 代表選はどなたに投票したか。その理由は。
 答 信念をもって良心にしたがって、1票を投じた。3候補とも素晴らしい方々だったが、どなたにも明かしていないのでこの場でも明かさない。

 問 維新との連携は何かあるか。
 答 ご存じかどうかわからないが、私は2012年から幹事長代理、選対委員長をやって、選挙に取り組んだ。あの時には61選挙区バッティングしている選挙区を20までに調整した。まさに選対委員長として水面下での調整を行った。したがって今後も様々な形、あらゆる方策を検討していく。当然ながらこれからの戦略の一つなので、どのようなことをするか、どのように行動するか皆さんにお伝えするわけにはいかないがしっかり考えていきたい。

 問 野党共闘について。北海道5区は接戦だが負けた。前回の民主党と共産党を合わせた票より少なかった。参院はまあまあの効果を出せたが、結果的には負けた。その次の都知事選と都議選は惨敗した。そのことを共産党の志位委員長は言わない。野党共闘はやっていくというが、これについて受けとめを。
 答 他党の党首のコメントについてはコメントする立場にはない。繰り返し申し上げている通り成果と課題がある。今年の1月5日から北海道に張り付いてからずっと申し上げていること。これについての解決の道筋をつくらなければ選挙には勝てないと思っているので、それに慎重に対応すると現段階では申し上げる。

馬淵選対委員長会見