山井和則国対委員長は26日午前、定例記者会見を国会内で開いた。

 冒頭、国会対策の基本方針として「国民の生活を守る国対、国民とともに歩む国対、国民のために戦う国対」を掲げた。そのうえで「国民に代わって政府に対して質問し、追及し、提案し、対案を出していく。国民の代わりに最前線で最もスピーディーに、最もタイムリーに動く、そういう国対を目指していきたい」と述べ「長年国会対策をしてきたが、国会対策に作戦も秘策もない。とにかく国民の気持ちを代弁していくことに尽きるのでその思いでやっていく」と語った。

 山井国対委員長はこの国会での大きな争点として、「TPP」「年金」「南スーダンへの駆けつけ警護」の3点を挙げた。TPPについては「アメリカのクリントン大統領候補が安倍総理に面会を求めてまでTPPに反対を伝えているので、拙速かつ強行する必要はまったくない。十分な情報開示も行われておらず、国民の世論でも(TPP自体への賛成、反対を問わず)今国会での審議を急ぐ必要はないというのが大多数だと思っている」と述べた。年金については「政府が国会に提出している年金制度改革法案には、物価が上がっても年金を減額することを可能とする非常に強烈な内容が含まれており、世論は受け入れられないと思っている。アベノミクスの切り札と称して株の運用比率を変えたことにより、年金の運用損を拡大していることについても、厳しくこの臨時国会で追及したいと思っている」と述べた。最後に南スーダンの駆けつけ警護については「71年間日本の自衛隊は銃撃戦をしたことがなく、任務として死傷した自衛隊員は一人もいない。12月からの駆けつけ警護によって自衛隊員が深刻なリスクにさらされる危険があり、日本の戦後を大きく変えてしまう事態になりうるかもしれない。私たちはPKO参加5原則が(激しい戦闘が行われている)南スーダンの状況では壊れていると認識している。そういうことも含めて議論をしていきたい」と述べ「申し上げた通り、問題点は厳しく追及し、良い法案は成立させる。徹底した追及の延長戦上に蓮舫代表が言う対案をしっかり提示し、国民の負託に応える国会対策をしていく」と意気込みを語った。

 輸入米の価格に調整金が支払われることによって国産米と同水準の価格に維持されていた輸入米価格偽装について、政府から納得できる説明がなければ予算委員会の審議拒否もあり得るかという質問には、「補正予算の審議入りの環境整備をするのは政府・与党の責任。これだけTPPの根本となる輸入米と国産米の価格差が実際はないと言っていたのがあることが明らかになっている以上は、そのことがあるのかないのか、あるのならばいくらあるのかということは審議をスムーズにするうえでも、政府・与党に説明責任がある。逆にゆっくりやりたいのであれば、その調査結果が出てくるまで補正予算の審議をゆっくり待たせてもらいたいと思う」と述べた。