山井和則国会対策委員長は30日、定例記者会見を国会内で開いた。

 同日から始まった衆院予算委員会でのが始まるにあたって、山井国対委員長は(1)TPPのコメ価格偽装の疑惑隠し(2)オリンピック・パラリンピック費用の問題――の2つを重要なポイントとしてあげた。

 コメ価格偽装問題について山井国対委員長は「私たちはかねてから補正予算に大きく影響することなので、国内米と輸入米の価格差について調査結果の公表を求めてきた。しかし、今日までに出てきたのは、当たり前のことしか書いていない資料。今日の予算委の理事会でも調査の概要しか出てきていない。コメ価格偽装の疑惑隠しだ」と断じ「しっかりとコメ価格偽装問題を補正予算の中で審議をしていく」と述べた。

 また、オリンピック・パラリンピック費用の問題については「招致委員会の当初の予算は7千億円だった。なぜ、7千億円が国民の知らない間に3兆円以上に膨れ上がっているのか」と疑問を呈した。そのうえで「ただでさえ財政が厳しい、社会保障を抑制せねばと言っているような政府が、一方ではオリンピック・パラリンピックに関しては総額いくらかかるか分からない。東京都が調査してみたら3兆円を超えるということで、国として現状の予算がいくらだと考えていて、いくらまで削減しようと考えているか。このことをきっちりと国は国民に説明する責任がある」と述べ、オリンピック・パラリンピックにかかる費用が予算審議の大きな焦点になるとの見解を示した。

 自民党の福井照TPP特別委理事がTPP協定の強行採決を目指すと発言したことに関して見解を問われると、「政府、与党のおごりの象徴だ。福井理事の個人的な思いではなく、今の政府・与党全体がもう3分の2の議席を取ったんだから強行でもして押し切ってしまえばいいんだ、審議なんてどうでもいいんだという議会軽視、もっと言えば国民軽視の甚だしい表れだと思う」と批判した。

 前日に国会内でカジノ導入を目指すIR議連役員会が開かれたことを受けて、民進党の現時点の考え方と自民党が採決を強行してきた場合の対応方針を問われると「今日から予算委が始まるところだから、個別の議員立法のことはまだまだ先の話。IRについても早くも強行採決すればいいというような発言が与党内からちらほら聞こえる。IR法案については各党、各議員、様々な議論があるかもしれないが、それをしっかり議論して最大公約数的な合意を形成するのが言論の府たる国会の役割である。そのことを飛ばして強行採決で政府の法案のみならず、議員立法も通すのは非常に危険。議員立法を強行採決で通す議論が始まること自体が民主主義の危機であって国民軽視ではないかと思う」と述べた。