後藤祐一衆院議員が4日、衆院予算委員会で行われた安倍政権の基本姿勢に関する集中審議で質問した。

 冒頭、後藤議員は安倍総理に、「来年5月の(衆院選挙区の)区割り画定前は(1票の格差が)違憲状態であるが、衆院解散はできるのか」などとただした。安倍総理は、「一般論としては、解散は否定されるものではない。私自身が衆院の解散を考えているかと言われれば、まったく考えていない」と答えた。

 稲田防衛庁長官に対しては、主に南スーダンでのPKOについて聞いた。後藤議員は、「8月に大臣はジブチまで行ったが、近隣の南スーダンには行かなかった。危険だったからではないか」と問うと、稲田大臣は「南スーダンに行きたいと思ったが、予防注射が必要だったので行けなかった。危険だからではない」と答えた。

 後藤議員は南スーダンの状況について、南部国境の都市を反政府軍が占領し首都への脅威になっているのではないかと指摘し、「(反政府勢力が支配している領域が一部あるということではないか。PKO5原則に関わる」と追及した。「ゴラン高原で長い間PKO活動をしてきたが、民主党政権時に撤収した。要員の安全を最優先にし、安全を確保しつつ意義のある活動を行うことがたいへん難しいと判断をし、PKO5原則は崩れていないが撤収した。勇気ある撤退だと思う。自衛隊の教訓でもある。南スーダンでもこの教訓を守って、安全確保と任務遂行の両立が困難になった場合は撤収すべきではないか」とただした。これに対して稲田大臣は「(南スーダンで)PKO5原則が崩れているとは認識しておらず注視をしていく。PKO5原則が守られていても、隊員の安全が確保され有意義な活動ができる状況にないと判断すれば、撤収もある」と答えた。

後藤議員が政府をただす

 昨年のPKO法改正で駆けつけ警護、共同防護、安全確保業務ができるようになったことについて後藤議員は、「(週末南スーダンに行く稲田大臣には)実際に駆けつけ警護が起りそうな場所に行ってもらいたい。民進党も、日本のPKO隊員を救いにいくための警護についてはやるべきだということで法案を出した。現行法は外国の軍人を(対象に)含むが、外国の軍人が活動している危険度の高い状況を大臣は視察に行く覚悟があるのか」と質した。これに対して稲田大臣は「(PKOに派遣している自衛隊の)施設部隊が緊急の要請に基づいて、対応可能なことを行うもの。危険な状況を冒してまで行うものではない」と答えた。後藤議員は「われわれは現に戦闘行為が行われていないことを条件にしているが、政府はPKO5原則で確認ということになっており、あいまいな解釈が可能な形で行われることを大変懸念する」と述べた。