民進、共産、自由、社民の野党4党の国会対策委員長は25日夕、いわゆる年金カット法案が衆院厚生労働委員会で強行採決されたことを受け、大島衆院議長に対し申し入れを行った。

大島議長に申し入れ

 山井和則国対委員長は申し入れ後記者団に対し、「今採決された年金カット法案について、採決を認めるべきではない、本会議に上程すべきではないということを強く申し入れた」と報告。その理由として、(1)過去2回の年金関連の重要広範議案では約30時間の審議というのが一つ慣例になっていたにもかかわらず、今回はわずか19時間の審議での強行採決であること(2)議長への申し入れは(TPPの承認案と関連法案の強行採決時の)11月4日にも行っており、1カ月に2度目の強行採決であること――の2点を挙げ、「乱暴すぎる。特に今回のは年金カット法案と言われるように、年金支給額を減らす改正であり国民生活に大きな影響を与えるもの。うがった見方をすれば『できるだけ審議時間を短くし、国民に問題点を知られないうちに成立させてしまおう』という問題を感じる」「大島議長には、こんなことを認めていたら毎月のように強行採決が行われてしまう。国民の負託に応える言論の府である国会が死んでしまう、形骸化すると強く申し上げた」と述べた。

 共産党の穀田議員は「国民の声が大事だということを旨としてきたにもかかわらず、参考人質疑を行った日に採決というのはこれまで2回しかない。法案の内容的にも、国民の声を聞かないという意味でも問題だ。議長の対応として(衆院本会議開会の)ベルを押すことはあってはならないと強く申し上げた」とコメントした。

 申し入れに対し大島議長は、「衆院議院運営委員会や与野党の国対間でよく話し合っていただきたい」と応じたという。

 今後の対応については、山井国対委員長が「野党4党で相談していきたい」と述べた。