山井和則国会対策委員長は2日午前、定例の記者会見を開き、「特定複合観光施設区域の整備を推進する法案」(いわゆるカジノ法案)の強行採決に断固として反対する考えを示した。

 衆院内閣委員会の理事会でカジノ法案の採決を同日行うことが委員長の職権で決められたことに対し、「私たちは断固として反対する。昨日もギャンブル依存症者の家族の会の方々が記者会見をし、慎重審議を要望された。観光振興という趣旨とはいえカジノを合法化することにはさまざまな問題点や国民からの不安の声が上がっている。そのような重大な法案を、一昨日審議入りしたものを今日強行に採決するというのは大問題だ」と与党の対応を厳しく批判。「私たち民進党が国民の不安の声を代弁し、暴走する安倍政権にブレーキをかけていかなければいけない」と力を込めた。

 賛否が大きく分かれる同法案をめぐっては、大臣出席のもとでの質疑や参考人質疑で賛否双方の立場の人からの意見聴取、ギャンブル依存症への対策など充実審議が必要だと強調。民進党としては、質疑には立つが採決は認めるわけにはいかないとして、退席する方針を示した。

 「この1カ月でTPP関連法案、年金カット法案に続き3回目の強行採決になる。11月4日、25日、12月2日と、金曜日になると強行採決になり、魔の金曜日と言っていのではないか」とも指摘。「事実上発効が不可能になっており、国民の大多数が急ぐ必要はないと言っているTPP、大多数が反対している年金カット法案、国民から疑問や不安の声が多々上がっているカジノ法案。国民が必ずしも望んでいない、国民の不安が払拭されていない法案を強行採決するのはあまりにも問題だ」と山井国対委員長は述べ、こうした強行採決の一方で、政府は国民が説明責任を求めている安倍総理と米国のトランプ次期大統領の会談についての予算委員会での集中審議を拒否、国民が求めている過労死問題に関する質疑は厚生労働委員会で先送りされ、野党が提出している「長時間労働規制法案」は審議入りさえしていないと問題視した。

 民進党など野党4党がクオータ制導入に向けて提出している「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」に関しあらためて考えを問われると、「今までの国会は男性中心過ぎ、予算や法律の決定過程で女性の声が届かなすぎたことは明らかであり、これを是正する今回の議員立法については今国会で成立させたいと思っている。いまだに自民党内での異論が強く先が見通せない状態であることは、安倍総理が言われる『女性の活躍推進』と矛盾するのではないか」と指摘した。