大串博志政務調査会長は22日午前、2016年度第3次補正予算と2017年度予算(歳入歳出概算)が閣議決定されたことを受け、国会内で記者団の取材に応じた。

 大串政調会長は、「内容はこれからしっかり精査したい」としたうえで、16年度第3次補正予算については、「1.7兆円の税収減を赤字国債の増発で埋めなければいけないことが明らかになっている。これは、これまでアベノミクスの果実と言い、税収が伸びたことを喧伝(けんでん)してきた安倍総理にとって、アベノミクスが失敗していることを明らかに示す内容だ」と指摘。17年度予算についても、「歳出規模97.5兆円と過去最大の規模を更新しているなかで財政健全化とのバランスもよく分からない状況になっている。税外収入を用いたり、名目2.5%という楽観的な経済成長見通を無理やり想定することによって上振りさせた税収を見込むなど、しっかりとした足取りが見えないものだ。各分野の歳出についても、これまで『働き方改革』『1億総活躍社会』を掲げてきたにもかかわらず、過去の延長線上に過ぎないものだ。いったい何を目指すのか、政権としての方向性がまったく分からない内容になっている」と問題視し、しっかりと精査したうえで来年の通常国会での審議で追及していく考えを示した。

 民進党が掲げる「人への投資」を中心とする経済政策の観点からは、「教育・子育て、社会保障などに大きく光の当たる予算の枠組みを作っていくべきだというのが旧来からの私たちの考え方。今回の予算では、社会保障に関しては額を削るという総枠的な考え方からのツギハギになっており、子育てに関しても保育所の整備料を増やすことだけで保育の人材確保に向けての待遇の改善はまだまだ不十分だ。一方で、防衛費に関しては5年連続で増えている。安全保障環境は変異し厳しさが増しているとはいえ、この内容で本当にいいのかは問われなければいけないと思う」と述べた。