安住淳代表代行は25日午後、定例の記者会見を国会内で開き、(1)野党連携(2)天下りあっせん問題の集中審議(3)共謀罪――等について発言した。

 衆院選挙での野党連携については、「今の安倍1強体制を打ち破る、自民・公明の候補者に対してどう戦うかを考えたときに弱小の野党が集まって知恵を出す以外に道はないと思う。基本政策の違いがあることはお互い理解をした上で連携をしっかりやっていこうということ。政府・与党のおごりをただすためにも野党第1党が議席を増やし政治に緊張感をつくらないといけない。われわれは、安倍総理の政治に対してもう1つの選択肢をそれぞれの選挙区できちんと示す、少なくとも与党と競り合うぐらいの議席を持って、いつでも政権交代が可能な状況にしていく責任がある。小選挙区選挙は1票でも多く取らなければならず、そういうことを見つめた時の結論は一つだ」とその意義を強調。「これから実務的には詰めていかなければいけないことはたくさんあるが、その大きな方向性に対しては党内的にはほとんどコンセンサスは得られつつあるのではないか。選挙区で国民に選択してもらう、まともな戦いになる候補者を出していくことが今の蓮舫体制に求められていると思うので、そういう大局的に立った決断をしていきたい」と述べた。

 安住代表代行が共産党大会で示した3つの政策をめぐって連携の難しさを懸念する問いには、「主体的にやるのはわが党だ。野党第1党である民進党が示す政権構想に賛同してもらえるかどうかだ。安全保障、エネルギー、社会保障とその負担のあり方といった政策について考え方は違うが一定の幅には収まる、理解、容認してもらえると思う」と手応えを示した。

 野党側が求めている補正予算での天下りあっせん問題に関する集中審議の開催については、「国民の皆さんは文部科学省が何をやっていたのかを知りたいのではないか。それに対する集中審議をしなければ、国民から文科省の権威そのものが疑われるし、その権限を利用して思うがままに再就職をあっせんしていたのであれば官僚不信を招く。自民党も総理もふたをするのではなく、国民の前で議論する姿勢になってもらいたい」と要請。開催時期については、「これだけ数の差があるので日程闘争をしても勝ち目はないが、あまり乱暴な日程でトントン法律を上げましょう、集中審議なんていらないというのが今の安倍総理の政治のやり方だというのであれば、国民にきちんとこれ自身を問わなければいけない」と指摘した。

 「共謀罪」の成立要件を絞り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐり、政府は公明党が「犯罪の対象が広すぎる」と絞込みが必要との懸念を示したことから、当初600を超える犯罪を適用対象としていたものを300程度まで絞り込む方向で検討している。こうしたことに安住代表代行は、「国内法で不備な部分は確かにあると思うが、適用範囲を必要以上に広げれば国民の基本的人権を侵害するおそれがあるという非常にきわどい法律だと思う。言い方は失礼だがバナナの叩き売りではないので、こういうことの曖昧さを徹底的に問い詰めていかなければいけない」との考えを示した。