衆院予算委員会で7日、2017年度予算に関する集中審議(公務員の再就職のあり方と行革等)が開かれ、江田憲司代表代行が質問に立ち(1)前川参考人の違法事案への関与と責任(2)全省庁調査の時期、制度設計(3)疑わしき案件――等について松野文部科学大臣らの認識をただした。

 村山政権時代、ともに大臣秘書官を務めた頃から前川前事務次官とのつきあいがあることを明かした江田代表代行は、今回の文科省の組織的天下り問題の責任について「こういった国家公務員法違反の天下りに手を染めていたということがどんなに重大で罪深いことかを貴方自身がよく分かっている」と前次官に問題認識をただした。前川前次官は、「今回の文部科学省での再就職規制違反の事案は極めて重大なものと受け止めている。私の責任は極めて重いと認識している。このような形で文部科学省、政府に対する国民の信頼を揺るがしたことについては万死に値する」と答弁した。

 これに対して江田代表代行は、省の事務次官、審議官らトップを頂点にして組織の中枢である人事課がからんで多数の国家公務員法違反の天下りあっせんを行い、さらに組織ぐるみで隠ぺい工作まで行うという極めて悪質な事案だと指摘。前川前次官に「たった2カ月の減給か。依願退職で5600万円の退職金をもらうのか。貴方のためにも、一生懸命働く後輩官僚のためにも、退職金を返上すると答えてもらいたい」などと迫ったが、前次官は「1月20日付で松野文科大臣から10分の1の減給2カ月の懲戒処分を受けたところ。私は責任を取るために辞職を申し出て承認を得た」と述べるにとどめた。

 江田代表代行は、今回のようにOBを道具として使いながら実際上は現職の役人が手を染める組織的な裏あっせんシステム、脱法行為を働くような抜け道を防ぐためには、「OBを介したあっせんについても法律で明確に禁止すべきだ」と安倍総理に法改正を求めた。安倍総理は「再就職規制の順守を徹底することにより、国民の疑念払しょくに努めていく。あっせん規制違反になるようなOBへの情報提供はやらせない。文科省の事案と同様に全省庁について(天下りに関して)徹底的な調査を行い、その結果を踏まえ必要な施策をしっかりと講じ国民の信頼を回復したい」と答えた。