蓮舫代表は16日午後、党本部で定例記者会見を行い、与野党の合意なく予算委員長の職権により中央公聴会開会決議を行うなどの政府・与党の対応に遺憾の意を表明した。あわせて党エネルギー環境調査会の議論の方向性について語った。

 14日の衆院予算委員会において、与野党の合意なく予算委員長の職権により中央公聴会開会決議が行われたことについて蓮舫代表は、「たいへん遺憾である。去年の強行採決三昧の国会、その与党の横暴な手法に対して議長が合意形成を作る努力をもっと行うべきとの所感を示した。にもかかわらず、(今回の与党の)まるで学習をしていない強引な委員会の運びは非常に残念」だと語った。文部科学省に端を発した天下りあっせん問題、金田法務大臣の支離滅裂な答弁など共謀罪法案をめぐる問題、南スーダンPKO部隊の日報の問題に関する稲田防衛大臣の答弁など、多くの問題が噴出している状況にあるとの認識も示し、「まだまだ国民が知りたい、憲法との関係も含めてどうなのかといった大きな課題がいくつもあるので、引き続き慎重な審議を求めていく」と述べた。

 同日午前に党エネルギー環境調査会が約70人の議員の出席のもとで開催されたことにもふれ「皆さんの思いがいろいろ詰まったご意見がほとんどだった。これからも丁寧な議論を行っていただきたいと玄葉光一郎調査会長にはお願いした」と、自身も出席した印象を踏まえて述べた。

 3月に行われる党大会でエネルギー政策を打ち出すとの報道がある。その狙いはどこにあるのかとの記者の問いには、「党大会までにということではなく、総選挙に向けていろいろな政策を準備しておきたいというのが私の思い。教育、地方創生、子育て支援、新たな社会保障のあり方、ベーシックインカム、エネルギー・環境政策など。そのなかの一つだ」と説明した。

 そのうえで、「代表になってから被災地、特に福島の被災地を視察したときに仮設住宅に住んでいるご高齢者の方たちとお話しした。広いところに住んでいたのが、ずいぶんと狭い、寒い、壁が薄くて音が漏れるような仮設住宅で不便をされているのを痛感した。こういうことを押し付けている現実を時とともに忘れてはならないというのが私のなかの原点」だと述べた。政府が除染費用の財源を新エネルギーの託送料金上乗せ分でまかなっていくという方向を示している点等についても「果たしてその税財源なのか、どういう形が国民が納得できるかをしっかりと党として議論していかないとならない」とも語った。

 蓮舫代表はまた、野田内閣のときに革新的エネルギー環境戦略をまとめてから4年半が経ち、直嶋正行前参院議員がエネルギー環境調査会長としてエネルギー政策をまとめてから1年半が経つとして、国の総電力需要、供給量の変化、そして省エネ・再エネ技術の進歩のなか、「政策をアップグレードしていくのは公党としての責務のひとつだ」との考えを示した。