党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年3月2日(木)15時00分~15時25分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=iIC5Kytl7SY


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○予算審議 森友学園への国有地売却問題について

【代表】
 国有地払い下げ疑惑問題、予算委員会での質疑を重ねれば重ねるほどわからないことがふえていきます。国民の財産である国有地の売買に対しては、これまでも相当厳しい審査を経て、そして適正な価格で、国民が納得できる情報の公開性をもって保たれていたという常識が、見事に覆されていると言わざるを得ません。
 参議院予算委員会では、我が党からは福山哲郎議員、杉尾秀哉議員が質しておりますが、不当に安かったのではないかと。それに対しての総理あるいは政府からの答えは全く理解できないものばかりであるのみならず、もう一つ新たな問題として出ているのは、現職総理大臣夫人は公人なのか私人なのか。参議院予算委員会の質疑の中で、国家公務員5人が現職総理夫人のスタッフとしてついていることが明らかになりました。つまり税金で給料が支払われているスタッフが、総理夫人に5人ついている。日程管理等、そういうことだとは思いますが、ならば、そうした総理夫人は公人だと私は思います。都合よく総理の解釈で、私人なのでこれ以上しゃべれない、というたぐいのものではもはやなくなっていると思いますので、しっかりとここは説明責任を果たしていただきたい。
 引き続き予算委員会等では、ほかにも「共謀罪」、あるいは南スーダンの問題、あるいは天下りの問題、どうやら全省庁の天下りの問題の調査結果(の報告)が4月以降になると政府から示されましたが、あからさまな先送り、予算委員会で聞かれたくない、こういう後ろ向きな姿勢には「おかしい」と、しっかりと我々も問題を指摘して質疑を続けていきたいと思います。


■質疑

○森友学園への国有地払い下げ問題について

【NHK・花岡記者】
 きのう共産党の小池さんの質問の中で、名前は明かされなかったが、国会議員が面談を受けて減額を要求されていたと。その後、昨夜になって鴻池参議院議員が自ら、そういう接触があったことを認め、(森友学園による)政治家への働きかけがあったことが明らかになった。このことについて代表はどうお考えか。

【代表】
 鴻池さんは自ら、現金が入っていると思われる封筒をお返ししたと会見でおっしゃっていました。ただ、働きかけがあったことは事実であります。秘書が15回話を聞いている。しかも政治献金も受けておられますので、鴻池先生お一人だけの話なのか、と思います。やはり陳情というのは、それぞれの立場で自らの思いを実現していただきたいと、いろいろな方に相談する話でございますので、他にはなかったのだろうか。ただ、それは野党である我々は知るすべがありませんから、やはり自民党総裁である、あるいは今問題と言われている名誉校長の夫である現職総理大臣に、自らしっかりと調査をしていただきたいとは思います。

【NHK・花岡記者】
 きょうの小池さんの質問で、この問題について自民党総裁また行政府の長として、自民党の議員を調査したり関係した財務省・国交省の公務員の方について調査を実施する考えはないか、と聞かれ、総理は、それは疑惑を持たれた人が説明すればいい、ということで前向きな答弁がなかった。この点についてはどうお考えか。

【代表】
 一義的には議員の問題は議員個人が自ら、さまざまな疑惑があった場合には説明責任を果たすべきだと思います。ただ、総理大臣の立場としては、少なくとも財務省・国交省の職員が、議事録がない問題、あるいはどんな会話、どんなやりとりが払い下げまでの間にあったのかが、今、非公開あるいは破棄されてわからない部分があるので、そこは総理が明らかにする責務があると思います。

【フリーランス・堀田記者】
 この問題は、箸にも棒にもかからなかった幼稚園を経営している森友が小学校に進出したいということ。これに野田政権の時の文部科学大臣が感謝状をやった。何でやったか大事なことですから調べていただきたい。当時の大臣に聞きましたか、このことを。とにかくこの籠池さんのところに感謝状をやって箔をつけたことから始まる。

【代表】
 貴重な情報として受け止めます。

【フリーランス・上出記者】
 蓮舫さんは、この問題について、何か民進党がかかわりがあるとか関与されたという情報は今までご存じか。

【代表】
 知りません。

【読売新聞・佐藤記者】
 一連の問題に関連して、森友学園の理事長の参考人招致についての考えをあらためて伺いたい。

【代表】
 参議院の質疑が始まったばかりではありますが、どう考えても森友の理事長が直接説明していただかなければ前に進まない課題が幾つもありますので、参考人として呼んでいただきたいと思っています。

【テレビ朝日・延増記者】
 予算委員会で蓮舫代表が直接、この森友問題を追及したい、質したいという考えはあるか。集中審議で蓮舫代表が立つことが検討されているが、もし森友問題を追及するとしたら、どんなところをポイントにして質したいとお考えか。

【代表】
 いろいろ含めて、検討しています。

○教育の無償化について

【産経新聞・豊田記者】
 教育の無償化について伺いたい。代表は「憲法を改正しなくても教育の無償化を実現できる」とおっしゃっているが、一方で細野豪志代表代行は、きのうの会見でも「民進党という新しい政党になったから前に進めていくべき時が来ている」という考えを述べられるなど、憲法に盛り込むことには肯定的な姿勢を示している。執行部内で、この教育の無償化と憲法の関係について意見の相違があることをどのようにご覧になっているか。

【代表】
 整理してご理解いただきたいと思いますが、執行部としては、教育の無償化というのを、細野代行を中心に政策アップグレード検討会でまとめていただきました。そして、これを法案化(学校等の授業料の無償化等推進法案)するところまで到達しました。きっちりと、我々はこれからも教育の大切さ、教育の無償化を、財源も含めて次の総選挙では訴えるというのは変わりありません。
 他方、枝野幸男会長のもとで憲法調査会があります。どの項目、あるいはどういうテーマについて民進党の考えをまとめていくかが、まさにご専門家の方の意見を伺いながら、議論を平場で行いながら、進めています。
 細野代行はまず衆議院議員として、仲間と一緒に、この平場のところに、自分達の考えをおまとめになるために提出するとしておりますので、一切そごは生じていません。

○天下り問題について

【フリーランス・堀田記者】
 天下りのことで伺いたい。天下る側の意見ではなくて、それを受け入れる側。蓮舫さんはこの前あまり積極的ではなかったが、ぜひとも、天下りされる側の理事長などを一堂に呼ぶと解決が早くなると思う。いろいろと強制されて大変だとは思う理事長側もあるが、それをやらないと、ある意味で文科省側の言い分だけになってしまうので。ぜひそれをやって、早く解決点が見出せると思うので、この前の早稲田の鎌田総長の会見だけでは全く不十分だから、呼んでいただきたい。

【代表】
 来てくださるかどうかも含めてだと思うのですが、でもその視点は、確かに双方向ということがありますので、受け止めさせていただきます。

○原発・エネルギー政策のアップグレードについて

【フリーランス・上出記者】
 原発再稼働の問題について、「2030年代原発ゼロ」というのがなくなったと言われているが、あらためて伺いたい。一般的な考え方でいくと、野党が原発再稼働反対のトーンでまとまって、民意に沿った形で選挙を戦えることを皆さん期待していたと思うが、この原発再稼働の問題、世論調査でも57%対27%くらいで再稼働反対が多い。こういう中で「2030年代」は、メディアが年限のことをしきりに気にしているということは言っていたが、これは大事な問題だと思う。じゃあどういうふうに原発の問題、自民党と何が違うのかというあたり、この辺をどのように訴えていこうとしているのか伺いたい。

【代表】
 まず、今の政権は、もともと(原案にあった)「ベース電源」という言い方を、さらにわかりにくく「ベースロード電源」と書きかえて、エネルギー基本計画の中で原子力を中心に据えていく。あるいは、我々が年限40年と区切っていたものを、さらに20年延命するような方向性で電力を供給していくという姿勢を示しています。まず、この根底からして我々とは考え方が違う。
 原子炉の再稼働ありき、ベースロード電源、主軸は原子力、という姿勢ではなくて、我々は再生可能エネルギー、あるいは徹底した省エネ、あるいは節電の意識を高める。これは技術革新にもなります。あるいは地方の自給自足のエネルギーをさらに分散化して進めていくことができたら、それは雇用を生むことにもなりますし、結果として消費の刺激にもなりますので、そこは我々とベクトルも考え方も決定的に違うというのはこれまでも言ってきました。これからももっと声高に言っていこうとは思っています。

【共同通信・田川記者】
 原発に関連して。きょうもエネルギー環境調査会の平場があり、あすも行われると聞いている。連日行われているが、原発問題について党としてどのように議論を進めていくお考えなのか、あらためてスタンスを伺いたい。

【代表】
 政策アップグレード検討会とエネルギー環境調査会というのは、昨年、私が(代表に)就任して、ほぼ同時期に設置して、それを細野代表代行、あるいは玄葉さんにトップとしてお願いをしてきました。その時の私からの依頼は、総選挙の公約として我々の掲げる旗というものをあらためて明確にしていただきたい。政策アップグレード検討会のほうは、既に法案化の作業まで入っています。エネルギー環境調査会は、いろいろな思いを持っている議員や、皆さんの意見をより丁寧に聞くという形で今続けていますので、党大会でこれも終わるのでなくて、次の総選挙に向けてさらに何ができるのかは具体的に進められる項目に歩を進めていきたいと考えています。

【朝日新聞・関根記者】
 お答えの中で、自民党は年限40年を20年延命する方向だと。ただ、この法律をつくったのは民主党政権の時で、もう民主党政権の時からある意味用意されていた道だ。総選挙の公約としてあらためて旗を明確にしてほしいとおっしゃったが、2030年代ゼロに向かってあらゆる政策資源を投入という今の民進党の基本方針があると思うが、どこをどういうふうに明確にしたいという、そもそもの問題意識を伺いたい。わかりにくいと思っているのか。

【代表】
 野田内閣で革新的エネルギー・環境戦略を決めた時から4年半が経過しました。去年、私が就任した時は4年ほどだった。この4年間で、我が国のエネルギーの総発電量並びに総需要量は相当減少してきています。これはやはり国民の努力のたまものだし、さまざまな技術向上のたまものだと思いますし、経済界の努力が相まってこうした数値を達成することができたのだと思います。そうした現実に合わせた政策というのは、常にアップグレードするものだと思っています。
 特に原子力におきましては、我々は3.11を経験していますので、あの3.11を忘れない、あの時の思いというものに政党としてどうやって応えていくことができるか。常に最新の情報、データを活用して、何をしっかりと掲げていくことができるかというのは我々に課された役割だと思っていますので、そこを明確にしたいという思いが根底にあります。

○憲法審査会での議論について

【日本経済新聞・林記者】
 憲法審査会での議論について。先ほど、教育無償化については出てきたが、全体として党としてどう臨むのかをあらためて伺いたいのと、退位の問題というのはこちらの審査会で扱うべきだとお考えか伺いたい。

【代表】
 国会において、与野党で合意したら審査会自体は動かすものだという考え方は、安保法制関連の審議の時から変わっていません。残念ながら自民党のご都合で、止めたり、進めようとしたり、そして今また前に進まない原因をつくっておられる、残念に思っています。また、自民党の憲法草案自体の扱いをめぐっても、発言される方によって随分とその扱いが違うように思えるのも、ちょっと首をかしげてしまうのですが、その中でも筆頭幹事同士で何とか前に進めていこうと合意をしていますので、まずは順番で何からできるか衆議院では進んでいると聞いています。
 皇室典範の話については、これは当然議論をするべきものだと思っています。

○天皇陛下の退位をめぐる議論について

【産経新聞・豊田記者】
 譲位に関連して伺いたい。きょう・あすと全体会議が行われているが、今のところまだ与野党間の考えの隔たりが大きいと思うが、今後この隔たりをどのように縮めていくのが望ましいとお考えか。

【代表】
 それぞれの政党の中でもさまざまな考えをお持ちだと思います。ただ、その中で衆参の正副議長揃って一つの会議体をつくってくださって、各党の主張を聞いてくださる場所を設けていただけたことにはあらためて敬意を表したいと思います。
 私どもとしては皇室典範の改正が望ましいという主張を今までもさせていただいておりますが、ここは自民党・公明党とは考えが違うなという認識は今なお持っています。
 ただ、きょう14時からどういう協議になっているのか、この後、出席している幹事長からも会見がありますが、各党とも今国会中での法整備というのは一致をしていますので、やはりここは複数回会合・会議を重ねることによって知恵を出して、そして今国会で何とか前に進むことが望ましいと考えています。

○福岡県飯塚市長選挙の結果について

【フリーランス・堀田記者】
 福岡県飯塚市長選だが、一市長選ではなくなったと思う。いまだにマージャンやっているのかと、今どきの大学生からすれば「マージャンって何ぞや」ということだが。そこで自公の候補に民進が乗ったというのは、これはどういうことなのか。はっきり言うと、辞めた人も麻生さんの子分だし、次になった人も麻生さんの子分だ。もう民進としては手も足も出ないということなのか。

【代表】
 「今どきマージャン」という前段につい反応してしまうのですが、私はマージャンは優れた頭脳競技だと思っています。その部分ではマージャン自体が問題であるというのではなく、公務の間に堂々と遊技の場所に行っていたこと等が問題になったと承知をしています。
 それと自治体の首長選挙は県連で判断することが前提となっています。その結果として、ある候補を応援したと承知はしていますが、我々を応援したいと思っている方達に選択肢をしっかり示せるよう、積極的な擁立ができるような組織になるように、今、江田憲司代表代行を中心として組織の再生にも力を入れています。期待に応えられるような組織に早くなりたいなと思っています。