参院予算委員会で13日、社会保障・内外の諸情勢についての集中審議が行われた。民進党・新緑風会の小川敏夫議員が質問に立ち、(1)稲田防衛大臣の森友学園の訴訟への関与の有無(2)森友学園と総理大臣夫妻の関わり(3)森友学園に対する国有地の不当売却問題――等について首相らの認識をただした。

 稲田大臣が森友学園の顧問弁護士を務めていたと籠池理事長が証言した問題に関連して小川議員は、インターネット上に公開された2005年10月11日付の森友学園の訴訟資料に「訟代理人弁護士稲田朋美」と記載されていることを指摘。「籠池氏の証言を虚偽と否定してきた大臣の答弁とは違うのではないか」と追及した。

 これに対して稲田大臣は、「確認していないので確認したいと思うが、弁護士は個人の人的信頼関係で事件を受任する。私は籠池氏から相談を受けたことも裁判を行ったこともない」と述べたが、その訴訟資料の存在は否定せず、訴訟への関与が明らかになった。

 また、安倍総理が森友学園の幼稚園での講演を引き受けていたのではないかとの問題について「講演を約束した事実はないか」「誰からどのように依頼されたのか」「行くという返事をしたのではないか」と安倍総理にただした。安倍総理は「行くことを考え、調整して行くようにしたいと妻から先方に伝えた」と述べ、森友学園との密接な関係を裏付けた。

 森友学園への国有地の不当な払い下げ問題をめぐって、2015年9月4日に行われた近畿財務局、国交省大阪航空局、森友学園側工事業者の協議記録に「(産廃処理)要求額が土地の価格を超えているから、そうしますとそもそもの契約ができなくなります」「要求額が普通の処理費の10倍もの金額ではとても応じられない」等の重大な記載があると指摘。森友学園側から「処理費として土地の価格に相当するような金額の要求が出されていたのではないか」と財務省の佐川宣寿理財局長にただした。

 佐川理財局長は「個別の面会記録はなく、9月上旬に指摘の事実があったか分からない」等と答弁回避に終始したため、小川議員は「交渉記録を捨てたのはあなたたちだ。何を国民をばかにした答弁をしているのか」と厳しく批判。産廃処理費にかかわる問題を究明するため、近畿財務局統括管理官、大阪航空局の調整官らの国会への参考人招致を強く求めた。