全体会議

 天皇の退位等についての立法府の対応に関する全体会議が15日夕、衆院議長公邸で開かれ、衆参両院の正副議長は、国会としての考え方の案(「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論の取りまとめ)を各党に示した。民進党からは野田佳彦幹事長、小川敏夫参院議員会長、馬淵澄夫衆院議員、長浜博行参院議員が出席した。野田幹事長はこの内容を16日午後に開く皇位継承等に関する全議員懇談会で報告、その後開催する臨時常任幹事会で党として最終的な対応を判断する。

 取りまとめは、今の陛下の退位と、これに伴う皇位継承を特例法で規定し、皇室典範の付則に特例法と典範が「一体を成すもの」と規定を設け、「この規定により(1)憲法第2条違反との疑義が払しょくされること(2)退位は例外的措置であること(3)将来の天皇の退位の際の先例となりうることが、明らかになるものと考えられる」などとしている。

 会議終了後野田幹事長は記者団に対し、衆参正副議長による取りまとめに謝意を示した上で、13日の各党からの意見聴取を踏まえ「合意できることは比較的きちっと網羅されている」との所感を語った。そのうえで、今上天皇と皇太子の現況等について「皇太子は、今上天皇が即位された年齢を越え」と明記されていることや、今上天皇の「おことば」とその発表以降の退位に関する国民の理解と共感について、「その『お気持ち』」と表現していること、安定的な皇位継承を確保するための今後の検討課題として「女性宮家の創設等」との文言があることなどを一例に挙げ、「法形式としては本則改正という民進党の主張は通らなかったということだが、特例法に盛り込む事項としてストレートではないが民進党の主張が比較的盛り込まれている部分がそれなりにある」と評価。「このことが先例となるということなので、事実上の第2皇室典範になると思う」と位置づけた。

 会議では、民進党としては馬淵衆院議員が、安定的な皇位継承を確保するための方策についての検討及び国会報告について、「検討結果の国会報告時期については、『明示することは困難である』とする主張と『1年を目途とすべきである』とする主張があり」と両論併記しているとしていることに対し、平成30(2018)年にも今上陛下が退位されることを前提とするならば「1年を目途」とするのが妥当ではないかと意見表明したと報告。

 これに対し正副議長から、「現時点ではそこまで煮詰まっていないので、国会での法案審議で付帯決議を盛り込む際に調整してほしい」との要請があったと述べた。

 正副議長は、17日の全体会議で各党の対応を確認し、それに基づき立法府としての合意を安倍総理に手交するとしている。