民進党は16日夕、臨時に開いた第30回常任幹事会で、天皇の退位等についての立法府の対応に関して衆参両院の正副議長から15日に示された議論の取りまとめ案(PDFダウンロード参照)に賛成することを決めた。

 野田佳彦幹事長は「大変な中での取りまとめだった」とし、皇室典範改正による天皇退位の恒久制度化等の主張が取り入れられていないのではないかという見方があることに対しては「昨年秋から党として取り組み、昨年末には論点整理を示すなど、終始議論をリードしてきた。押し込まれそうになるところを押し返して精一杯努力した内容だ」などと述べて取りまとめ案への賛成を求めた。

 その具体例として、取りまとめ案で「この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第  号)は、この法律と一体をなすものである」とする趣旨の付則を皇室典範に設けることが記述されたことについて、与党は議論の中でこれを「今上天皇の退位」と記述するよう求めていたが、最終的に普通名詞で「天皇の退位」と記述することで決着。これにより将来の天皇退位の際の先例にもなり得ることが明らかになると取りまとめ案にも記述され、民進党が求めてきた恒久的制度化につながるものと判断したと長浜博行・皇位検討委員会委員長は説明した。

 また、今後、政府がこの取りまとめ案を誠実に法案化するよう、法案骨子や要綱の段階などで各党・各会派の全体会議などに報告を求めていくことも取りまとめ案に記載されたことから、こうした場を通じて今後も立法府としてしっかり関与していく方針を確認した。

PDF「「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ(案)」「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ(案)