野田佳彦幹事長は14日午後、地方行脚で訪れた福島市内で記者団の質問に応じ、北朝鮮によるミサイル発射などについてコメントした。

 政府によると、北朝鮮は14日早朝、北西部の平安北道亀城(ピョンアンプクトクソン)付近から弾道ミサイル1発を発射、今回は新型で高度が2000キロを超えたと推定され、通常より高い高度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射された可能性があるとの見方を示している。

 こうした北朝鮮の脅威が収まる気配がないことへの受け止めと、民進党としての今後の対応について問われると、「国際社会が何度も自制を求めてきたにもかかわらず繰り返しこのような暴挙、挑発行為が繰り返されることに対して強く抗議しなければいけない」と表明。「当然のことながら累次にわたる安保理決議違反でもあるので国際社会が一丸となってさらに自制を求めていかなければいけないが、基本になるのは日本とアメリカと韓国の連携。特に韓国は新しい大統領が就任したばかりなので、そこは緊密な連携をとっていくということが今は大事だろうと思う。加えて、より実効ある制裁を考えたときには中国のさらなる協力も必要だ」と述べた。その上で、政府に対しては「安倍総理にはこうした外交努力もリーダシップをふるってやってほしい。幸いにして航空機や船舶の被害はないが、どういう形のミサイルだったのかなどはよく情勢分析、情報分析をし、国民に国会にきちっと説明をしてほしい。強い警戒態勢で臨むこと保つことは大事だが、一方で分かったことは国民にきちっと情報公開も必要だと思う」と求めた。

 「北朝鮮の脅威が高まれば高まるほど、総理の言う『9条の3項に自衛隊の存在を明記する』という主張に対して反対しにくいのでは」との問いには、「今の9条のままでもできることはいっぱいある。専守防衛に徹しての自衛隊の役割、政府の役割はいろいろある。やるべきことをちゃんとやることが何よりも大事であって、憲法改正ができなければ今の状況に対応できないなどという国であるはずがない。これは別の問題だ。むしろ憲法改正というような遠大なテーマを言う以前に、まずは政府の危機管理を徹底してほしい」と主張。危機管理の徹底の一例として、総理が私邸ではなく公邸に住むことを挙げ、「国民に求めている割には政府の危機管理の意識が足りないと思う。総理はこのあいだもゴルフをやっていたし、ゴールデンウイークには多くの閣僚、政務三役が海外に行っていた。そういうことをまず襟を正すことが先ではないかと思う」と指摘した。