山井和則国会対策委員長は16日、定例の記者会見を国会内で開き、共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)の問題を中心に話をした。

 共謀罪法案の強行採決を近日中に行うことを与党が考えていることについて、「審議をすればするほど共謀罪法案の嘘がばれてきている。逆に、だからこそ、これをゆっくり審議していたらますます反対論・慎重論が高まってしまうということで、早々に与党は強行採決しようとしているが、そのような共謀罪法案の問題点隠しの強行採決は絶対に許すわけにいかない」と与党の強行的な対応には徹底的に対抗する考えを示した。

 金田法務大臣の後ろに座る法務省の担当者がつねにマスクをして大臣に耳打ちしていることが法務委員会で問題になっていることも取り上げ、「大臣が頼りないから後ろでささやく役人の方が、何をささやいているのかを分からないようにマスクをしてささやかざるを得ない。こんなことがもし事実であれば、国会の恥にもなりかねない」と金田法務大臣の資質に疑問を呈した。

 金田法務大臣の不信任決議案提出の考えを記者団から問われると、「金田法務大臣に対して不信任案を出さないという選択肢はありえないと思う」と不信任案を提出する考えを明らかにした。そのうえで、「この問題の本質は大臣不信任が本質でない。法務大臣が説明できない法案はそもそも法案がおかしいということ。法務大臣が説明できない法案を強行採決するなんていうことはありえない」と共謀罪法案のおかしさを強調した。

 与党側が共謀罪法案の強行採決をしてきた場合に、天皇陛下の退位を可能とする特例法案の審議にどのような影響を与えるかという質問には、「とにかく退位の問題は静かな環境で審議をしたいと思うし、その思いは与党も同じだと思う。退位の法案に悪影響を与えるようなことを私は与党がやってこないと信じている」などと語った。