安住淳代表代行は24日午後、定例記者会見を国会内で開き、(1)「共謀罪」法案の衆院可決(2)安倍総理の加計学園疑惑――等について発言した。

 「共謀罪」法案が23日、衆院法務委員会に続いて衆院本会議でも強行採決され、与党と維新の会などの賛成多数で可決、参院に送付されたことを受け、「ちょっと荒っぽい(国会)運営だったかなという感じがする。国連の指摘にも一顧だにしないというのは、安倍政権には思慮深さが足りないのでないか」「マネーロンダリングなどに対応するために部分的な必要性はあると思うが、包括的、網羅的にやるのが本当に条約の批准に必要なのかということには非常に疑問があり、時間をかけてもう少し熟議をすべきだった」などと指摘。「金田法務大臣のもとでは無理だったのかなとも思うが、参院ではもうちょっと丁寧にやったらいいのではないか」と述べた。

 加計学園疑惑をめぐっては、25日発売予定の週刊誌で、文部科学省の内部文書の存在について前川喜平・前事務次官が「あの文書は本物」と実名で証言しているという。これを受け、参院文教科学委員会では文部科学省の前川喜平・前次官の参考人招致を要求しており、安住代表代行は、「当時の事務次官として前川さんが話している以上、委員会に来てもらい、お話をしていただいた方がいいと思う。菅官房長官は『怪文書』だと断定しており、当時の当時者が『本当だ』と言っているということと意見が食い違う。いろいろな機会を通じてこの問題は追及していきたいが、まずは参院の文科委員会で参考人招致を求めていきたい」とコメント。獣医学部の新設については、「少なくとも前川さんの話を聞けば、当時事務次官として、省全体の意向としてまったくやりたくもないし、ニーズもそんなにあるわけでもないということ」と述べ、特区の申請について、愛媛県の知事が「政府側からの働きかけがあった」とインタビューで答えていることにも言及。「官邸の周りで自作自演をして、それぞれ慎重な省庁や都道府県を『特区』という名の下にやらせたとすれば非常に大きな問題だと思う。岩盤に風穴を開けて良くするというのが『特区』のイメージだが、世の中にとって必要性をあまり感じないものを自分の友人が経営している大学の学部を創るために無理やりこの制度を利用したことがいろいろな証言から分かってくるとすれば、これは総理として大きな責任問題になってくるのではないか」と指摘した。

 河野克俊統合幕僚長が23日、日本外国特派員協会で記者会見し、憲法9条に自衛隊の根拠を明記するとした安倍総理の改正案について、「一自衛官としては、自衛隊の根拠規定が明記されれば非常にありがたい」と述べた。これに対し所感を求められた安住代表代行は、「自衛隊制服組のトップなので、発言には十分注意なさったらいい」と苦言を呈した。

 「朝日新聞は言論テロ」と書いた劇作家のフェイスブック投稿に対して、安倍総理の公式アカウントが「いいね!」を押したことについては、「軽薄だと思う」と一蹴。「先にも一部の新聞を『読め』とか、ちょっと幼稚さを感じている。残念ですけど」と述べた。