小川勝也参院幹事長は6日午後、定例記者会見を国会内で開いた。

 この中で小川幹事長は、参院法務委員会での共謀罪法案の質疑状況等について説明し、与野党間で協議が行われてきたが、「われわれの主張がなかなか受け入れらない状況になった」と述べ、参院法務委員長の解任決議案(PDFダウンロード参照)を提出したと語った。

 小川幹事長の説明によれば、第一に、衆院と同様に参院でも共謀罪法案の審議入りの冒頭、法務省刑事局長を政府参考人として常時出席させることについて、法務委員長が与野党間の合意がないまま強引に採決で決めたことを強く問題視した。

 第二に、安倍総理がラジオ番組の中で共謀罪法案の審議について「不安をあおるための議論を延々としている」などと発言をした点を問題視した。

 こうした点に関して法務委員会の真山理事が総理発言の撤回・陳謝など審議できる環境を整備するように与党に申し入れてきたが、「議が整わないなか、昨日、職権によって法務委員会が立てられた。その委員長の仕切りについて疑義があるということで、解任決議案を提出した。明日の本会議で処理していただく」と小川幹事長は述べた。

 昨日5日衆参両院で安倍総理出席の下で行われた決算に関する質疑については、「安倍総理のいつもの『印象操作』という言葉を多用した答弁や、あるいは野党席のやじをうるさいと言いながら自ら不規則発言をするなど、たいへん不本意な(審議)内容であると言わざるを得ない。裏を返せば、取り乱した官房長官の答弁を含めて、加計学園に関する国会での審議・報道に内閣総理大臣や官房長官がいらだっているのではないかと思う」と指摘。「いつの日か国会が閉じるわけだが、国会が閉じた後もさまざまなチャンネルを通じて、この問題を風化させないという思いを強く持って取り組んでいく」との考えを表明した。

 皇室典範に関する参院特別委員会は7日に開かれ、順調にいけば9日の本会議で採決が行われる見通しであると述べ、「法務委員長決議案を今日、提出させていただいたが、当該特別委員会は粛々と臨ませていただく予定だ」と語った。

PDF「参院法務委員長解任決議案」参院法務委員長解任決議案