民進、共産、自由、社民の野党4党の国会対策委員長は29日午前、臨時国会の召集をめぐり大島衆院議長に対し取り計らいをお願いしたいと申し入れた。川端達夫副議長が同席し、申し入れには笠浩史国対委員長代理が同行した。

 山井国対委員長は申し入れ後の取材で、大島議長からは「しっかりと内閣に伝える。その上で、回答があれば伝えたい」などとの発言があったと報告。安倍総理は記者会見で「国民に対し丁寧に説明をする」と発言しながら、野党4党が憲法53条の規定に基づき要求している臨時国会開会要求に応えようとしていないと批判した。加計学園問題や、東京都議選の応援演説での稲田防衛大臣の「自衛隊としてもお願いしたい」との発言など、国民に説明責任を果たすべきことは日々たくさん起きていると指摘。「それにもかかわらず臨時国会を開かず、国民に説明責任を果たさない姿は極めて不誠実だ。このまま夏休みを決め込むのであれば税金どろぼうという批判も免れない。一刻も早く安倍総理は国会開会を決断し、国民に対して説明責任を果たすべきだ」と述べた。

 憲法53条は、衆参いずれか4分の1以上の議員の要求があれば臨時国会を開かなければならないと定めており、国会の意思として大島議長に政府への働きかけを求めた。

 これに先立ち、山井和則国会対策委員長は自民党の竹下国対委員長と国会内で会談。竹下委員長に対し、安倍総理に対する稲田防衛大臣の罷免要求書を手渡してほしい(2)臨時国会を開催してほしい――の2点を求めた。これら要求事項は、28日の野党4党国対委員長会談での合意を踏まえたもの。

 山井国対委員長は会談後記者団の取材に対し、竹下委員長は(1)については「総理に伝えた上で、返事を報告する」、(2)については「政府が決めるものだから僕は分からない」と回答したため、「あまりにも無責任だ」と抗議したと報告。(1)(2)ともに安倍総理と話をして30日までに回答するよう求めているとした。

 山井委員長は、竹下委員長の対応について「極めて後ろ向きな印象を受けた」と述べ、閉会中審査についても相変わらず都議選後、都議選の結果も一つの要素と考え総合的に判断する考えを示したとあらためて問題視。閉会中審査とあわせて3点について30日、自身から連絡を取り安倍総理の意向を確認すると述べた。

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