大串博志政務調査会長は30日午後、稲田防衛大臣が都議選候補者の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言したことをあらためて撤回・陳謝したことについて、国会内で記者団からの取材に応じた。

 この中で大串政調会長は、「私たちは発言後の翌日に、外務・防衛合同部門会議を開き、稲田大臣に説明を求めたが断られた。その時、政府側に『発言のどの部分を撤回したのか、公職選挙法違反を含めて法律違反の発言ではないのか、という点を明らかにしてほしい』とお願いしていたが、今朝まで回答がなかった。今朝になって『防衛省、自衛隊、防衛大臣として、というところは撤回しおわびする』という発言があったが、今、謝罪したからと言って済む問題ではない。防衛大臣という地位を利用して『選挙で自民党を応援すべし』と政治的行為を促したこと自体が法に触れている。その上、発言から3日経ってようやく国民の声に突き動かされる形で謝罪したことや、私たちの質問に答えない姿勢は、問題の深刻さを全く理解していない。大臣としての資質・能力・資格は全くないので罷免に値すると思う」と述べた。

 また、「今回の件で稲田防衛大臣はうそつきだと明らかになった。今朝の記者会見で、『火曜日の説明では撤回しておわびをしている』と言ったが、その時点ではおわびしていないのは明らかだ。さらに火曜日の発言は『自衛隊の活動に関して、感謝の意を述べた』と言っているが、問題となった部分は『選挙を応援してくれ』という話なので、全く違う。その他、森友学園問題でも『籠池氏の顧問弁護士をしていない』と言ったこともあるので、平気でうそをつく大臣だ」と述べ、防衛大臣に留まる資格はないと断じた。

 安倍総理の任命責任について問われると、「任に就かせた責任は極めて重い。度重なる失態を続けているにもかかわらず任を解かない現状は、総理自体に責任が及ぶことも免れないと思う」と述べた。