党加計学園疑惑調査チーム(共同座長=桜井充参院議員、今井雅人衆院議員)は10日午後、国会内で会合を開いた。

 学校法人「加計学園」の国家戦略特区による獣医学部の新設計画をめぐり、認可するかどうかを審議している文部科学省の「大学設置・学校法人審議会」(設置審)が9日開かれ、判断を保留する方針が決まり、今月末に予定されていた大臣への答申は延期される見通しとなったと同日のメディアが報じた。

 これを受け出席した議員らは、過去に判断が保留された案件はどれくらいあり、結果としてどうなったのかと質問した。文部科学省が過去10年で保留となった110件のうち最終的に認可89件、申請取り下げ19件、不認可2件だと説明。「では不認可となった2件についてはなぜ不認可となったのか」との質問には答えられなかったため、あらためて回答するよう求めた。

 また、次の判断時期を2カ月後をめどとする旨答えた文科省に対し、今回「判断保留」としても単に結論を先送りとしただけでは意味がないと指摘。ライフサイエンス研究ができる設備やカリキュラム、指導できる教授陣など教育の質が担保されるのかを判断をするに当たって、どのような資料が提出されているのかを示すよう求めた。 

 政府の国家戦略特区ワーキンググループ(八田達夫座長)が開いたヒアリングに同席していた加計学園の幹部らの発言が、公表された議事要旨に記載されなかった問題については、なぜ公開できないのかと追及。内閣府は「項目だけでなく、ほぼそのままの発言に近い議事要旨を作っている。4年後には公開する」「加計学園の幹部は、提案者である今治市の判断で同席した『説明補助者』だった。説明補助者は通常、参加者として扱っていない」などと主張したが、参加議員は「なぜ4年後なのか」「非公開としたのは八田座長の判断なのか」とただし、公開するよう求めた。

 獣医学部新設を提案する2カ月も前の2015年4月2日、愛媛県と今治市の職員が協議のために総理官邸を訪問した記録を開示していることには、一部メディアが同日、この時官邸で対応したのは当時の柳瀬総理秘書官だったと報じている。議員からは、これが事実であれば国会での答弁が虚偽だった可能性があると問題視した。