民進党代表選挙2日目となる22日午後、日本記者クラブ主催の民進党代表選挙候補者討論会が東京都内のプレスセンターホールで開かれ、前原誠司衆院議員、枝野幸男衆院議員の両候補が出席した。

 討論会は2部構成で行われ、第1部では、冒頭各候補が立候補に当たっての基本的な主張をした上で、会場から寄せられた質問などを参考に同クラブの企画委員が候補者に質問。「やや盛り上がりに欠ける今回の代表選挙をどう位置付け、どう戦っていくのか」「アベノミクスから分配政策への転換を掲げる点で共通する両候補の政策で一番違うのはどこか」「安倍内閣の支持率急落の理由をどう分析し、それでも民進党の支持率が上がらない現状をどう総括するのか」「民主党政権時代の失敗の象徴ともいえる立場であり、若手を前面にという声もあるなかで志す思いとは」「次期衆院解散総選挙で政権を目指すのか」――等の質問に答えた。

前原誠司候補

前原誠司候補

 第2部では候補者同士が相互に質問する形で討論した。

 まず前原候補は「野党1党である民進党を何とか立て直さないと日本の民主主義は機能しない」との思いで立候補をしている観点から、党再生のあり方について質問。「党が生まれ変わるわるには代表がメッセージをしっかり出して党のアイデンティティや、お互いなぜここに集っているのかの意思確認をやらないことには党全体が生まれ変わることにはならないし、地方組織の人々にはついてきてもらえないと思う。私はこの党が何を目指すのか、どういう社会像を作ろうとしているのかを示すことが党再生の第一だと思っているが、枝野さんが代表になられたらこの党をどう生まれ変わらせようと思っているのか」と尋ねた。

 これに対し枝野候補は「われわれはわずか1年少し前に新しい綱領のもとで新しい党を結党した。いろいろな意見が分かれたときに綱領に立ち返れば一致しているはずだ。常に立ち返るという、本来政党としてのあるべきことをきちんとやることが大事だと思う。もう一つは、国会議員の意識改革だ。政党は国会議員が次の選挙に当選するための道具ではない。それぞれの国会議員が自分の次の選挙に何が得かではなく、党を支えてくれている党員・サポーターや、党に期待をしてくれている人たちのために何ができるかという意識改革をリーダーが先頭に立って迫っていくことが大事だと思う」などと主張した。

枝野幸男候補

枝野幸男候補

 続いて枝野候補は「わが党が問われているのはガバナンス、党がまとまっているという姿をしっかり示すことだ。その意味で、国会議員の仲間意識みたいなものが強すぎて、党としてしっかりガバナンスを取るためのけじめがついていないのではないか」などと提起。「党を出る選択についてはいろいろな考え方があるが、厳しい状況のなかでこうした行動を取った人には厳しく対応しなければいけない。民進党だから彼らに投票した人もいるのだから、基本的にはそこにはきちんと対抗馬を立てるというけじめをつけていかないと党はまとまっていけないと思うがどう思うか」と問うた。

 これに対して前原候補は「比例代表で当選した議員は除籍処分、小選挙区で当選した議員は離党届を受理するという蓮舫代表体制の対応については「一定の理解をする」と述べた上で、離党した議員の選挙区に候補者を擁立するかどうかについては「今の政治状況や今後のあり方、党内に対するガバナンスなどさまざまなことを含めて総合的に勘案していく」と答えた。

日本記者クラブ主催候補者討論会

日本記者クラブ主催候補者討論会