民進党代表選挙の東京・南北関東ブロック討論集会(代表選挙管理委員会主催)が28日午後、東京都港区内のホテルで開かれた。9月1日の臨時党大会前の最後となった討論集会で前原誠司、枝野幸男の両候補は、選挙後の挙党体制の重要性を繰り返し強調した。会場に集った約700人の党員・サポーターや自治体議員からの役員人事の進め方等の質問に答え、討論集会前には有楽町駅前で街頭演説会を行った。

枝野幸男候補

枝野幸男候補

 代表選後の役員人事のあり方について会場から問われた枝野候補は、「政治は人事が大きな部分を占める。実質的にも外からも挙党体制と見える。そういう体制を組まないと誰がリーダーをやっても党は上手く回っていかない。私を党首に選んでいただければ前原さんを含めて挙党体制を組むことを約束する」との考えを示した。

前原誠司候補

前原誠司候補


 前原候補は「代表の一番大事な仕事はどうやって皆さんに活躍してもらうかだ。人の好き嫌いとか、自分に近いとか、近くないとかで判断をしてはいけない。そういう判断をしたらうまくいかないだろう。この党は本当に崖っぷちにいる。多くの方々がとにかくここで底を打たせて反転攻勢、政権交代まで導いてほしいという思いをもっている。それができるようにしっかりがんばりたい」と決意を示した。

 全ての討論集会のまとめとして、党員・サポーター、国民の皆さんへのメッセージを求められた前原候補は、「高齢の方が不安をもって老後を過ごさなければならない。おびえながら暮らせなければいけない。それを放置しているだけでも自民党政治は退場してもらわなければいけない。親の所得によって若い方々のチャンスが異なる。何よりも誰もが大変な状況に追い込まれるかもしれない。それについて冷淡な自己責任社会を放置している。これだけでも自民党に取って代わる政党が必要ではないか。私たちには歴史的な使命がある。何を言われようが、何を批判されようとわれわれの思いを貫こうではないか。我々には天命がある。対立軸を示して国民を豊かに不安から解放するという使命がある。皆さん、一緒にその使命を果たそうではないか。その使命を果たすことがこんな状況でも支持、応援してくださっている方々への我々がやらなければいけない唯一の最大限の責務ではないか。野党でいる民進党に魅力はない。私は民進党を政権政党にする。皆さんと一緒に政権交代を実現しよう」と呼びかけた。

 枝野候補は「こんな厳しい状況の中、全国でたくさんの皆さんが民進党を何とかさせなければならない。何とかしなければならない。こんな思いで頑張っていただいている。期待をしていただいている。そのことを改めて感じることができた。私はあえて言う。自信をもって前に進みたい。一時の風に吹かれて右往左往するのではなくて、厳しい中でも支えていただいている皆さんにしっかりと顔を向けて一緒に力を合わせて前に進んでいく。この王道を外れなければ必ず私たちが政権を担う政党としてもう一度よみがえる。そして遠からず政権を担い今の政治を変えていくことができる。私は確信している。そのためには代表選挙を通じて党がしっかり一致結束して皆さんとともに前に進んでいく。そうした党の体質を作っていく。これまでの様々な経験を最大限生かしボトムアップ型のリーダーシップを発揮して国会議員だけではない、候補予定者だけではない、地方議員だけではない、党員・サポーターの持っているパワーをしっかりと引き出し前に進んでいく」と意気込みを語った。

 閉会にあたって石上俊夫代表選挙管理委員は、全国11ブロック、8会場での討論集会、街頭演説会を無事に終えられたことについて党員、サポーターらに謝意を表明。「討論会を通じて国民の皆さんの不安の受け皿になる、国民の皆さんとともにしっかり進む民進党の姿を示すことができたのではないかと思う。これからも民進党はしっかりとがんばっていく」とあいさつし集会を締めくくった。



握手を交わす前原、枝野両候補

握手を交わす前原、枝野両候補