民進党代表選挙に立候補している前原誠司、枝野幸男の両候補は29日午前、東京都内にある日本外国特派員協会で共同記者会見を開いた。

 両候補が自身の打ち出す政策や自民党との違い、代表を目指す決意を表明した後、記者団からの質疑に移り、(1)民進党が政権をとった時に北朝鮮と対話する可能性(2)岡田前代表、蓮舫代表との経済政策の違い(3)具体的な原子力政策(4)都議選で民進党が大敗し、都民ファーストの会が大勝した理由――などの質問が出された。北朝鮮との対話の可能性についてはそれぞれ次のように答えた。

前原誠司候補

前原誠司候補

 前原候補は、「小泉政権の時に拉致問題解決のために日朝間でつくられた外交ルートが残っていたので、そのルートで議論を重ねていた」と自身が外務大臣の時に日朝間の対話を行っていたことを紹介し、「こうした対話は正式な外交ルートでやることが特に北朝鮮のような国では一番正しいのだと思っている。それは、現在、米朝間で水面下で対話が行われているかもしれないということと連動する意味でも、正式な外交ルートというもの、これは日米も含めて大事な意見交換の場になりうる」と説明した。さらに前原候補は、「現在、われわれは国として北朝鮮に対する制裁を行っている。なかなか対話が、人的交流ができないのが現状。それゆえ党間交流もなかなか限界があるのではないか。しかし、先ほど申し上げたことを前提としつつも『対話と圧力』で、対話を模索するということもしっかりやっていかなければいけない」などと述べた。

枝野幸男候補

枝野幸男候補

 枝野候補は、「今の状況で日本が対話を強調するような局面ではない」とし、「相手が対話を通じていわゆる挑発などをやめる、核ミサイル開発などにブレーキがかかる可能性の余地があるかどうか、そこに向けて日本が単独で対話するのではなくて、アメリカや中国など関係諸国が水面下含めてどういう状況になっているか、そうした全体の構造の中で対話の意義がある場合、無い場合をしっかり見極めていかなければならない」と述べた。そのうえで、「現状、米朝間あるいは中国と北朝鮮の間、さらには日本政府が水面下でどのようなことをしているか野党として知る立場にないし、それは外に向かってオープンにしながらやることではないと思っている。現状の北朝鮮の挑発が繰り返されている状況ではそうした状況を知らないわれわれが対話を強調するのは北朝鮮に対する間違ったメッセージになる」と説明した。

前原誠司、枝野幸男両候補が日本外国特派員協会で共同記者会見