1日の臨時大会で民進党新代表に選出された前原誠司代表は、就任後初の記者会見を開いた。記者団との主な一問一答は次の通り。

  投票結果を聞いて厳しい船出だと言ったが、なぜそのように思ったのか。またそれを乗り越えるためにどのような党運営、役員人事を行っていくのか。
  今回の投票結果で、白票が多かった。それに厳しい党運営になるのではないかとの思いを持った。代表になったばかりなので、人事はこれから考えさせていただく。

  国会議員の投票で白票が出たことについてどう思うか。
  今の段階でコメントする必要はない。新体制を決めて、みんなでこの党を政権交代の高みまで皆さんの力でもっていくことに力を注ぎたい。

  10月の補選について、野党共闘をどう進めていくのか。
  新代表に選んでもらったばかりだ。まずは各県連から話を聞いて、相談して決めていきたい。

  人事も含め、どういった挙党体制を作っていくのか。
  代表に選出されたばかりなので、人事については少し考えさせていただく。

  12年ぶりの代表。当時の反省や教訓も含めどう臨んでいくか。
  代表時代の失敗やいろいろな経験を積ませてもらった。その経験を生かした党運営を心がけたい。

  内閣支持率は下がったが、民進党の支持率も上がっていない。蓮舫代表時代とどう違うことを打ち出すのか。
  蓮舫代表の下、「尊厳ある生活保障総合調査会」を作って、われわれが目指す社会像を検討してきた。1年3カ月以内には解散総選挙がある。これをベースに、マニフェストでどういう社会を目指すのか、国民に分かりやすい像を示す。

  同性婚を認めるとの発言があったが、フランスの「パックス」のような新制度を作るか、現結婚制度を同性カップルに開放する考えは。
  わが党は多様性を認める、LGBTを認める、これが基本的な考え方だ。どちらの制度をと今言う状況ではないが、どうすれば実現できるかを党内で議論を深めていきたい。

  代表選前に民進党の名前にこだわらないと発言したが、自民党に対抗するために野党再編についてどう考えるか。
  今日新代表に選んでもらった。われわれの理念・政策を高らかに掲げ、まずは党の再生に取り組むところから始める。

  共産党は次期衆院選で相互推薦、相互協力を求めている。共産党の要請に応えたり政策協定などを結ぶ考えはあるのか。
  政党は理念・政策が大事だ。政権選択の衆院選挙においては、それがなければ成り立たない。今までの執行部が積み重ねてきた協力関係や約束は尊重するが、是非について見直しも含めて検討すると言ってきた。これからまとめる執行部でどういう判断をするか議論していく。私の考えを含めて私を代表に選んでもらったと重く受け止めていく。

  枝野さんとの共通点は。
  目指すべき社会像だと思う。私の「All for  All」と枝野さんの「お互い様の支えあい」は、再分配を重視して新たな社会の好循環を作っていくという社会像は極めて酷似していると思って聞いていた。

  今回の無効票は抗議の意思の表れと考えているか。
  無効票を誰がどういう思いで入れたかは、現時点では知る立場にないのでは答えられない。

  野党共闘について、補選の投開票は10月22日に迫っている。いつ頃を目途に結論を出すのか。
  タイミングは決めていないが、期日は迫っている。県連と話をしたい。

  前原代表は総理を狙うか。
  野党第1党の党首は政権交代を狙う、すなわち総理大臣になるというつもりで今回の代表選に出させてもらった。新代表になってその気持ちで取り組んでいく。

  人事を決める両院議員総会はいつか開くのか。
  来週早い時期に開きたい。

  井手栄策教授を処遇するつもりは。
  「All for All」という考え方は、井手先生との出会いがなければ生まれなかった。井手教授は刎頸(ふんけい)の友、師匠としてご指導いただきたい。「尊厳ある生活保障総合調査会」は継続したい。井手教授にはアドバイザーの役割をこれからもお願いしたい。これからもニ人三脚で頑張っていきたい。

  憲法について、党内の議論をどう進めていくのか。
  憲法の議論は野党第1党として大いにすべきだ。しかし党内にはいろいろな考え方がある。代表は独裁者ではない。新体制を決める中で、どのような党内議論をしていくかを含めて話をさせていただく。

  代表選を戦った枝野さんにはどういう役割を期待するか。
  枝野さんには党運営にも関わってもらいたい。それがノーサイド、挙党一致体制を築くことになる。

  地方組織の在り方について、群馬県では県組織が並び立っている。地方の融和、組織の統一を急がせる考えはあるか。
  4年半余り執行部に関わってこなかった。全国の組織状況を詳(つまび)らかに知っているわけではない。今後地方組織運営について勉強させていただく。解散総選挙があるので、現職の再選と新たな候補の当選に向け努力していく。

  他の勢力との連携、協力は否定しないと打ち出した。小池新党への対応、非自民勢力の結集についての考えは。
  政党は理念・政策を実現するためにその旗の下に集まったメンバーが党を作っている。その理念・政策に共鳴してくれるところであれば、協力をすることは当然のこと。現時点で特定政党、勢力を念頭に置いたものではない。

  今後の代表としての発信方法はどう考えているか。
  どういう方法でかは決めていない。広報は抜本的に見直して、代表というよりも、党の考え方をしっかりと国民の皆さんに理解いただける体制にしたい。どういう発信をしたらいいか検討させていただく。

  代表選への世間の関心は薄いか冷たい状況だが、どう感じたか。
  全国8カ所で討論会、街頭演説をさせていただいた。どの会場も満員盛況だった。街頭も多くの一般の方々にも聞いていただいた。わが党の支持率は一桁で厳しい見方があるのは事実だ。しかし全国組織がある野党第1党として、自民党に代わる選択肢を作る使命がある。それを国民に示し、その結果として支持率や関心が高まってくる。そういった努力をしていきたい。