第48回衆院議員選挙2日目となる11日午前、希望の党公認で岩手1区から立候補した元民進党前職の階猛(しな・たけし)候補は、希望・小池百合子代表を応援弁士に盛岡駅前で街頭演説を行った。

 小池代表は冒頭、東日本大震災での津波被害に言及し、被災者の方々に希望を持ってもらえるよう引き続き力を尽くしていかなければならないとの認識を示した。

 今回の解散・総選挙については「生活、老後、子どもたちの教育、いったいどうなるんだろう。2年後の2019年秋に予定通り消費税を8%から10%に上げる是非を問うのではなく、その中身、どう使うかを国民に問いたいと言って今回安倍総理は解散総選挙を行った」「(しかし)私に言わせれば、安倍さんの総裁選、もうひとつはあの加計・森友疑惑から逃れるため」と指摘し、「冒頭解散、何もしないでいきなり解散という手法を使った。一言で言うとこの解散は『安倍ファースト解散』」と、安倍総理の判断を厳しく批判した。

 また、景気回復についての国民の実感がない中での増税について、「景気回復の実感がない中での増税は、かえって消費拡大の足を引っ張ることになる。結局税収は上がらず、景気は良くならない、デフレ経済も直らない」と指摘し、予定されている消費増税は当面の間、凍結すべきであるとの考えを示した。

 また、議員連盟で交流のあった階候補について、「階さんは本当にまじめな人。人柄、まじめさ、突破力。こんなに素晴らしい人が岩手、そしてあの永田町にもいるのだとつくづく感じている」と称賛。この選挙は厳しいものになるとしながらも、「今日よりも明日、明日のほうが必ずいい、そのためにはみんなに希望を」と、雨の中集まった聴衆に対して階候補の支持を訴えた。

 階候補は憲法問題に触れ、「私たち希望の党が憲法9条を変えるのではないか、そういう噂も飛び交っているが、決してそんなことはない」「日本は9条の下、専守防衛で平和を維持してきた。そのことをこれからも大事にしていきたい」と述べた。一方で流動化する世界情勢に触れ、「どうやったらわが国の平和を守れるか。皆で虚心坦(たん)懐に議論していく、そういう中での議論はあり得ると思う。ただ最初から憲法9条を変えて自衛隊を明記すればいいというのはあまりにも短絡的だ」との考えを表明した。

 また、憲法については他にもっと変えるべきところがあると指摘し、1年以上の任期を残し約600億円をかけて解散・総選挙を行った安倍総理について、「消費税の使い道を変えるとか、北朝鮮の問題に対応するとか、さっぱり理由が分からない。国会で与野党で議論すれば進む話だ。解散で民意を問うまでもない」と、今回の解散・総選挙について疑問を投げかけた。