野田佳彦元総理は11日、新潟市内で衆院選に立候補した元民進党前職の応援に東奔西走した。

 新潟2区から今回無所属で立候補した鷲尾英一郎(わしお・えいいちろう)候補の個人演説会に駆けつけた野田元総理は、「今回の選挙は政治家の生き様が問われる選挙だ」と切り出し、ハンディを承知であえて無所属で出馬した鷲尾候補の覚悟を紹介した。鷲尾候補は前回、小選挙区では102票という僅差で惜敗したが、野田元総理自身、1996年の総選挙では105票差で負け、4年間浪人するという苦い経験をしており、「鷲尾候補にとって背水の陣を超えた『水中の陣』だ。岩肌に爪を当て、血を流しながらよじ登っていかなければならない」と熱く激励した。

 野田元総理はまた、野田内閣で農林水産大臣政務官を務めた鷲尾候補の実績について、「現場を踏まえた対応は優秀だった。安倍総理はふるさとが分かっていない。鷲尾候補は地に足のついた政策が分かっている」と強調、投票箱が閉まるまで支援の輪を広げてほしいと訴えた。

 続いて登壇した鷲尾候補はまず、無所属で立候補せざるを得なかった経緯を説明、しかし、「それよりも本当に大事なことは、安倍総理にこれ以上フリーハンドを与えていいかどうかだ」と、今回の選挙の争点について訴えた。

 鷲尾候補は、「安倍総理は都議選で大きく議席を減らし、『反省する、国民にていねいに説明する』と述べたが、国会を開いたその日に解散、まさにやりたい放題だ。与党と野党が拮抗し、緊張感ある議論を行うことでよりよい政策を提供できる」として、地元をよく知る新潟県出身の自分を何としても勝たせてほしいと訴えた。