第48回衆院総選挙4日目となる13日(金)午後、蓮舫元代表は希望の党公認で山形1区から立候補している荒井寛(あらい・かん)候補の応援のため山形市入りし、荒井候補の総合選対本部長を務める舟山康江参院議員とともに支援を呼び掛けた。

■蓮舫元代表

 蓮舫元代表は、安倍総理の政治姿勢について「審議しない、議論しない、野党の言うことに耳を傾けない。最後は強行採決」「安倍総理の民主主義についての考えは間違っている」と指摘。「議論をし尽くして、もうこれ以上審議をする必然性が感じられなくなったときにはじめて多数決になる。これが民主主義ではないか」「50年以上、自民党の総理総裁が使えないと明言してきた集団的自衛権。これを使えるようにするために、10本の法案を1本に束ねた。1本(あたり)の審議時間はわずか10時間。これまで戦後平和を築いてきたわが国の立憲主義、平和憲法を踏みにじり、強行採決をする安倍総理の是非を問いたい」と訴えた。

 また子どもの貧困問題にも触れ、「1人親家庭の半数が貧困。年収122万円以下。1人親家庭の子どもは貧困に陥りやすい」「(日本の1人親の)お母さんの就業率は約9割を超えている。つまり日本は仕事があるのに貧困から抜け出せない。こんな構図はおかしい」とし、「私たちは奨学金という借金ではなく、返す必要のない奨学金を作ろうとずっと言ってきた。ようやくこの春から与党もこの声にあらがえず、給付型奨学金を作ったが、その予算はわずか14億。この解散・総選挙には税金600億。金の使い方が間違っているとあらためて声を上げよう」と呼び掛けた。

 「荒井寛さんはまだ未知数。だが山形で生まれ、山形で育ち、山形に戻ってきて10年後、20年後に責任を持ちたいとの挑戦。なんとか押し上げていただきたい」と、荒井候補への支持を訴えた。

■舟山康江参院議員

 舟山参議院議員は今回の解散総選挙に触れ、「地方、特に農業関係者の皆さんは書き入れ時。本当に地方のことを考えているのか。この選挙のあり方そのものを見ても、安倍政権の姿勢がよく分かる」「国会が始まった初日、所信表明も行わず、審議もせずに突然解散したことそのものが、まさに独善的な安倍晋三総理の政治姿勢を表している」と批判した。また、安倍政権下で政策決定過程が「トップダウンでお友だちだけが得をするような形」に変容したと指摘し、「まさに政治の私物化。政策の決定過程も不透明、疑惑が生じても丁寧にウソをつく。丁寧に説明すると言いながら丁寧に隠す、ウソをつく。これが今の安倍政権の体質だ。体質がおかしいということはまさに元を正さないといけない。安倍政権を変えなければいけない」と、集まった有権者に訴えた。

 「山形1区では荒井寛という若い新しい力が敢然と立ち上がった。しがらみのない生粋の山形人」「トップダウンではなくボトムアップの政治を目指して行くためには、ここで新しい力に変えていかなければいけない。イエスマンばかりの政治がこの国をおかしくしている。イエスマンばかりの政治はいらない」と、荒井候補への支持を呼び掛けた。

■荒井寛候補

 民間で20年働いてきた経験を持つ荒井候補は、国民目線で国民生活に寄り添った政治を目指したいと決意を語った。今回の解散・総選挙の争点については、「安倍政権を続けさせていいのか、それが一番の争点。『国難突破解散』というが、安倍総理に降りかかった難関、難問を突破するため、逃げ切るための解散ではないか。安倍政権を続けさせること自体が国難だ」と語りかけると、地元有権者から喝采が沸き上がった。

 「人への投資で未来をつくる」を政策理念とする荒井候補は、子どもを産める環境、教育無償化、給付型奨学金のさらなる拡充、東京一極集中問題の是正、膨大な国の借金を子どもたちの世代に押し付けないことを掲げ、「不安を一つでも多く払しょくし、誰もが安心して安全に暮らせる社会、誰もがやりがいと生きがいを持って働き、活躍できる社会。そんな夢と希望あふれる社会を作っていきたい」と訴え、演説を締めくくった。