岡田克也常任顧問は20日、日本記者クラブが東京都内の日本プレスセンターで開いた記者会見で、党常任顧問であり民進党の衆院会派(13人が集う無所属の会)代表でもある立場から(1)衆院選時の状況(2)衆院選後に党内で続いている民進党の今後の在り方に関する議論(3)立憲・希望との統一会派結成に向けた取り組み――等について語った。

 先の衆院選について「本当にひどい選挙だった。なぜそうなったかというといろんいろな反省がある。党で最近まとめたペーパーでも詰めの甘さがあったことは否めないとしている。前原さんを批判するつもりはないが、『衆院選は党公認はせずに希望の党から出る』と決めた解散の日の両院議員総会前日の夜遅くに話をしたが、『これだけのことをするのに紙はあるのか』と私は申し上げたが、『紙はない』ということだった。離党者が相次ぐ中、希望の党の支持率が非常に高く、(民進党は)このままいくと壊滅的な結果となるだろうという中でみんなが合流するという話だったが、リスクの高い話だった」と振り返った。同じ選挙区で候補者がバッティングした際にどう候補者選定を行うのかといった交渉基準さえ決められていなかったようだとの見方を示し、「そうしたものが全くない中で、かなり前原さんが自信がある感じだったし、確か両院議員総会では私の記憶では『憲法違反の安全保障法制はダメでしょう』といった旨のことも言ったので、そういう考え方で合意しているのだと思った。結果を見れば排除の論理の中で多くの仲間が立候補できない状況が生まれた」と述べ、痛恨の極みだったとの認識を語った。「排除されて立憲民主党で立候補した人は結果的には救われ、党の決定に基づいて希望に行った人は足に重りがついたような状況で選挙を戦って多くは討ち死にした。民進党の中堅層で頑張ってきた人たちが議席を失うのを目の当たりにした。野党第1党がなくなって3つに割れてしまったのは痛恨事で、自分は25年間、『政権交代のある政治』と言ってやってきたが何だったのか。一瞬にしてそれが崩れてしまったという強い喪失感を覚えた。ただそう言っていても仕方がないのでもう一回頑張るぞというのが現状」だと語った。

 党内で続いている民進党の今後の在り方に関する議論に関しては、大塚耕平代表ら執行部は地方組織、地方議員、国会議員それぞれに対して丁寧な議論を重ねてきて、両院議員総会、全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議を26日に開き、合意形成が図られることになるとの見通しを示した。具体的な選択肢として(1)現状維持をしつつ、党運営の在り方を改革する(2)党名を変更するとともに、党運営の在り方を改革する(3)新党に移行するとともに、党運営の在り方を検討する(4)その他――の4項目が執行部から示されて議論が続いていると説明。同記者会見に先立ち民進党本部で開いた両院議員懇談会で大塚代表から16日に実施した全国幹事会では「民進党は現状を維持しながら改革すべき」との意見が多数を占めていたとの説明があったことにも触れ、「新党や党名を変えるということはないよねということでほぼまとまってきた。だいぶ状況は変わって落ち着いてきている」と岡田常任顧問は語った。

 一方、両院議員懇談会で改選期を迎える参院議員から「やはり民進党では戦えないので新党に」という声が出たことにもふれ、「私はそこで発言したが、民進党で次の参院選をこのままで戦えないのは間違いない。しかし党名を変えたり新党にしたら戦えるのか。戦えないという状況は同じなのではないか。党名を変えたり新党に衣替えしたら急に支持率が上がって参院選を勝てるというのは見通しとして全く違う。重要なことは参院選までに3つの党がもう一度何らかの形でひとつの大きな固まりになって戦える状況を作り出していくこと。その過程で民進党という名前が変わることは当然ありうるが、今それをやったから変わる(支持率が上がる)ということではないと申し上げた」と語った。

 立憲民主、希望の両党への統一会派結成の呼びかけについても26日の両院議員総会で了承されるとの見方を示し、「次の通常国会までにとなると相当ハードルは高いと思うが、あきらめずに無所属の会等で(取り組む)。前回の特別国会を見ていても(野党勢力の追及が)ばらばらでやって自民党にいいようにやられてしまっている。そういうなかで、統一会派ができればいいし、そこまで至らなくても統一会派の手前の合意というのもあり得ると思う。しっかりと交渉しなければならないと思う」「協力して緊密にチームプレーで3党が戦える状況を作り出すことが第一になる」「私としては国民の期待というのは安倍1強の独走を許すということではないはずだし、すでに内閣支持率も下がり安倍さんを信用できないという人は結構いるので、あとは野党がしっかり協力して国会などで力強く論戦していけば参院選挙で自民党を上回る議席を得ることは不可能ではないし、次の総選挙で政権交代ということも夢物語ではない」と強調した。

立憲、希望への統一会派呼びかけ「相当ハードルは高いがしっかりと交渉」岡田常任顧問

立憲、希望への統一会派呼びかけ「相当ハードルは高いがしっかりと交渉」岡田常任顧問