第196通常国会が開会した22日午後、安倍総理の施政方針演説後に無所属の会の岡田克也代表が記者団の取材に応じた。

 施政方針演説への受け止めを記者から問われた岡田代表は、「一番感じたのは安倍総理が国民からの信頼を取り戻してリーダーシップを発揮していくという、そういう気合い、気持ちがまったくうかがえなかったこと。安倍内閣を支持しないという方の多くが、安倍総理自身が信頼できない、政策ではないと答えているなかで、昨年いろいろなことがあったが、そういったところを正直に説明して、説明責任を果たして国民の信頼を取り戻していく、そのための、この演説だったはずだが、それのかけらもなかったことは非常に残念だ」「国民の皆さんからも信頼できないというイエローカードを突き付けられているわけなので、昨年あったさまざまな問題について説明責任を果たして信頼を取り戻していくことが一番大事だ」と語った。

 民進、立憲、希望と3党に分かれた形で通常国会を迎えたなかで、今後野党3党でどのように連携していくかという問いには、「なるべく協力していった方がいい。これは『将来ひとつの党になる』とか『大きな固まりになる』といったことは横に置いても、巨大与党に対抗していくためにはお互いが協力しないと、ばらばらでは戦いにならないので、国民の立場に立ってきちんと巨大与党、政権をチェックしていく。その責任を果たすためにもお互い協力していく姿勢は必要だ」と強調した。

 今のところ独自路線を歩んでいる立憲民主党との連携については、「その前に」と前置きして、「統一会派とかではなく、私は統一会派まで行くには相当ハードルも高いと思っている。統一会派を結ばなくても協力できる、その協力を3党間でしっかり行っていくことが大事だ」と語った。

 代表質問に関しては財政健全化の問題を取り上げていく考えを示し、「もうすでに2020年プライマリーバランス黒字化は無理ということになっていて、それは消費税の使い道を変えたからだという説明を(安倍総理は)繰り返していたが、それは全く正直ではなく、消費税の目的を組み替える以前に8兆円以上のプライマリーバランス赤字があることは明らかなので、財政健全化に向かって完全に失敗したということを認めたうえで、ではいつまでにどれだけのことをやるのかということを説明すべきだと思う」と語った。

 この通常国会はどういう国会になると見るかとの問いには「野党が問われる。しっかり役割を果たせるかどうかということだと思う」と指摘。「そのためにはお互いの協力が絶対必要なのだが、野党がきちんと対応できなければ、どんどん安倍総理は憲法の改正なども含めて仕掛けてくる。そういう意味でも野党間でしっかりと対応していきたいと思う」と述べた。

 憲法改正に関しては、「私個人は」と前置きしたうえで、「憲法改正を具体的にしなければならない必要性は見当たらないと思っている。ただ、与党がいろいろ仕掛けてくるのであれば、それに対しては対応しなければいけないと考えている」と語った。

 沖縄県の南城市長選で翁長知事派の瑞慶覧長敏氏が勝利したことへの受け止めを問われ、「総理は所信表明のなかで沖縄のことも触れたが、事故のことなどはまったく触れることもないままで、民意に寄り添ったとはいえない状況だった。そのことに対して沖縄の皆さんの気持ちが一つの結果を生んだということだ。これからさらにこの流れは強まっていくと思う」との見方を示した。