ご指名いただきました連合の神津です。本日はお招きをいただきまして、またこのような機会をいただいたことを心より感謝を申し上げたいと思います。連合を代表して一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

 私は連合本部の専従になりまして4年4カ月となります。民主党が政権を下野した翌年の2013年秋から本部の事務局長、そして会長となって今日に至っております。

 思い起こしますと、2014年2月8日、あの大雪の福島での定期大会にお伺いをして以降、このような機会を幾度となくいただいてまいりました。その都度、民主党・民進党の皆さま方の理念や、あるべき社会像・国家像に触れさせていただき、その都度、大いなる共感をこの身におさめさせていただいたところです。

 しかし、政治とは本当に難しいものだと思います。私たち連合から見れば、どう考えても政権与党より立派な理念と政策であるのに、その後の民主党・民進党への支持は高まらず、党勢退潮の趨勢はとどまることなく、むしろ離党者が引き続いてしまうという状況から脱することはなかったわけであります。

 そして昨年の総選挙の混沌に突入し、私たち連合と政策・理念を共有している方々が、希望の党、立憲民主党、無所属の3つに分かれてしまったわけであります。痛恨のきわみであります。

 本日の大会において、民進党として、希望の党との合流という両院議員総会における党所属国会議員の判断は誤りであったと総括されると伺っております。連合としても、あの総選挙については昨年12月の段階で一定のまとめをしておりますが、私自身、これまでの間、関係者をおもんぱかって封印してまいりましたことを明らかにしていく必要性を強く感じているということを一言付言しておきたいと思います。

 いずれにいたしましても、今月半ばにスタートを予定しております「連合政策・制度推進フォーラム」、通称「連合フォーラム」、先ほど大塚代表にも言及していただきました。このフォーラムの発足を一つの大事な機会として、政策を通じて各党の推薦議員の皆さま方との連携をさらに強めてまいりたいと思っております。

 1月22日には第196通常国会が召集され、2週間近くがたったわけであります。国会の最重要課題、そして我々労働組合にとって一丁目一番地であります「働き方改革」の問題が早速にして大きなテーマとして浮上しております。その点に関して、安倍総理の施政方針演説に対する代表質問の中身自体は、3党でほぼ足並みが揃っていたと受けとめております。この「働き方改革」を最大のポイントとしつつ、さまざまな政策分野において「連合フォーラム」の機能を回していきたいと考えるところであります。

 また、各地方連合会におきましても、同様の趣旨にて、そして先ほど大塚代表のごあいさつにもありました皆さま方の思いを受けとめつつ、さまざまな取り組みを重ねてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。

 そしてこの間、民進党では、新たに選出された大塚耕平代表のもとに党改革論議が進められ、その一つの到達点として本日を迎えられていると認識しています。とりわけ注目をさせていただいておりますのが、2018年度活動方針案の「改革し、新しい党へ」にあります、「中道的な政党としての新しい党を目指します」との記載であります。これは昨年12月26日の両院議員総会・全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議のスピーチでも大塚代表が述べられていた内容とお聞きをするところであります。

 私は、本当に慎重に、本当に丁寧に、議論を積み重ねてこられた大塚代表の姿勢がまさに中道だと思っております。あらためまして、大塚代表をはじめ執行部の皆さん方、また議論に真摯(しんし)に参画され本日この場にご参集の皆さん方のご努力に心より敬意を表し、今後につながる結論を見出されることを心よりご期待申し上げます。

 年が改まり、早いもので、来年4月には統一地方選挙、そして7月には参議院選挙が控えています。「働く者」本位・「生活者」本位の政治勢力を大きな固まりとして形成していくことが極めて重要となっております。政権を担うことを想定した政策立案を行い得る野党勢力の結集を呼びかけられるのは民進党をおいて他にはないと言っても過言ではありません。

 昨年の総選挙は自民党1強政治が漁夫の利を得ることとなってしまいました。しかし、あの混沌の中で立憲民主党と希望の党に自民党を大きく超える比例票が投ぜられたことを、私たちは常に思い起こさなければならないと思います。しかし、率直に申し上げて、今の足元の状況については、漁夫の利を再び与えてしまうのではないかという懸念を持たざるを得ないということも事実でないかと思います。

 昨年の党大会の場で、思わず私の口をついて出た言葉は、「私たちには民進党しかありません」というものでありました。状況は一変してしまいましたが、私の中でこの言葉は生きています。思いはさまざまあろうと思います。しかし、どうか合成の誤謬(ごびゅう)に陥らず、ぜひ野党の全体最適を追求していただきたいと思います。そして、この難局を乗り越えるために一致結束して、新たな姿の最適解を実現していただきたいと思います。このことを切にお願いを申し上げまして、私からの一言とさせていただきます。

 ともに頑張りましょう。ありがとうございました。

以上