那谷屋正義参院国会対策委員長は7日、定例の記者会見を国会内で開いた。財務省による森友学園決裁文書の書き換え疑惑に関して、記者会見に先立って開かれた民進・自民国対委員長会談で、近畿財務局に残されている決裁文書原本のコピーを明日8日の参院予算委員会理事会に提出するよう求め、与党も同意したことを明らかにした。

 与党は当初「提出は一両日に」としていたが、参院予算委員会を早く立ち上げるには明日の提出が不可欠だと強く求めたところ、「明日の理事会で求められていることについては出す」と明言した旨を那谷屋委員長は報告した。

 こうした経緯について那谷屋委員長は「一定の前進」との見方を示したうえで、「中身についてこちらが期待するものかどうかという点は当然あるが、まずは理事会を開いてどんなものを出してくるかを明らかにしていきたい」と語り、参院本会議や委員会の開催は提出された文書を見て今後判断していく方針だとする考えを表明した。あわせて8日に1日の日程での集中審議の開催を与党に要求していることも明らかにした。

 提出を求めている文書について記者に確認を求められ、「原本はたぶんすべて大阪地検に行っていると思う。しかし、捜査は任意であるから、(大阪地検に)持っていかれているものはコピーを取っているはずなので、(その)残っているコピーを明日提出してもらうということ」「(われわれに渡した決裁文書の)前のものをすべて出してもらえば、前と違うか同じかという判断ができる」「自民党も、近畿財務局に残っている売払決議書のコピーを出せと言っているようなのでそれに期待したい」などと述べた。

 国政調査権を行使して決裁文書の提出を求めることは行わないのかとの問いには「明日どういうものが出てきて、理事会がどう進むのか。それを見ながら、さらに疑惑が深まるようであれば、そこも視野に入れなければならない」と語った。また、今後の国会対応に関しては「明日、参院が動きだすということについては合意したが、明日の理事会に出されてきたものによって理事会がどうなるのかは見てみる必要がある。近畿財務局の態度も見ないといけない。そこを見極めてからもう一度(時間は設定していないが)自民党とやりとりさせてもらう」と語った。