民進党など野党6党は3日、「イラク日報隠ぺい疑惑」野党合同ヒアリングを国会内で開き、政府がこれまで国会での質疑や国会議員からの問い合わせに対し、「存在しない」と説明してきた陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報が「存在していた」ことについて、防衛省の担当者に経緯の説明を求めた。

 防衛省の担当者は、昨日確認できたとして発表した陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報について、「当時発見できなかったことにあらためておわび申し上げたい」と陳謝した上で経緯を説明。「南スーダンPKO日報問題を契機に再発防止策の一環として情報などを一元的に管理しようと作業している。その結果、イラク派遣部隊の日報が陸上幕僚監部衛生部と研究本部で保管されていることが確認された」「今回確認された日報については、開示・不開示の確認作業を行ったうえで、4月半ばを目途に追加の開示決定を含めて適切に対応する。さらなる文書の探索も継続する」などと報告した。

 情報公開・文書管理への姿勢については、「小野寺防衛大臣から3月12日に指示を受けた。こうした指示を踏まえ、対外的な説明や文書管理をきちんとやっていきたい」と述べた。

 これらの説明に対し、出席した議員は「当該文書が見つかってからの対応として、防衛大臣に報告が上がるまでなぜこんなに時間がかかるのか」と質問。防衛省側は「陸幕研究本部から1月12日に報告があった。その後この確認された文書が問題のイラクの日報なのか、どれくらいの量があるのか、欠けているものがないのかなどの確認作業していた。1万4千ページに及ぶもので、状況をまとめた上で3月31日に防衛大臣に報告した」と答えたが、出席議員らは「防衛大臣がイラクの日報があったことを発表したのは2日だ。予算審議や森友問題のために時間稼ぎをしたのではないか」「南スーダンンの日報問題と同様で、政務3役に報告しないようにしてきたのではないか。反省は生きてないのか」「どれだけあるかよりも、まず見つかったことを大臣に報告すべき」などと厳しく指摘した。

 また出席議員から、「3月31日まで防衛大臣に報告しないと判断した者は誰か」「調査している日報の範囲を定義してほしい」「これまでの情報公開請求に対する請求日と回答日と公開した内容を出してほしい」などの質問などがあり、次回ヒアリングまでに整理して提出するよう要請した。

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