消費者の権利の確保

  • 「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場から、「消費者の権利の確保」を第一に消費者行政強化と消費者保護に取り組むとともに、消費者庁および消費者委員会が消費者基本法の基本理念を踏まえ、供給サイドではなく消費者の立場から消費者行政にあたるよう、チェック機能をしっかり果たしていきます。

消費者庁・消費者委員会・国民生活センター地方移転の白紙撤回

  • 消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの地方移転は、消費者庁における消費者行政の司令塔機能をはじめ、それぞれが果たすべき役割や機能および専門的人材の維持・確保に支障をきたすことが想定され、消費者行政ならびに消費者保護のさらなる推進・強化に逆行するものであることから、地方移転の対象から外すとともに、検討・試行を中止し、白紙撤回すべきと考えます。

消費者行政の強化

  • どこに住んでいても消費生活相談が受けられるよう、消費生活センターの全自治体への設置を推進します。地方消費者行政を継続的に下支えする財源を確保し、消費者行政担当者や消費生活相談員に対する研修体制の構築、消費生活相談員の雇用形態や処遇の改善による人材確保等に取り組み、地方消費者行政の強化、消費生活相談機能の充実・強化を図ります。

  • 消費者団体訴訟制度の実効性の確保と持続的活用に向けて、消費者裁判手続特例法の円滑な施行と運用、同制度の担い手である適格消費者団体及び特定適格消費者団体等への財政面・情報面等の必要な支援、その空白地域の解消に取り組みます。

  • 消費者の生命・身体に被害をもたらす事故の原因究明を図り、被害の発生・拡大の防止を進めるため、消費者安全調査委員会の体制を人員・財政面で強化します。

  • 消費者教育推進法に基づく、消費者の権利である消費者教育を、学校、職場、地域などにおいて、関係省庁の連携や多様な主体の参加により幅広く推進し、消費者の自立を支援します。

消費者保護の推進

  • 不招請勧誘対策やインターネット取引等における虚偽・誇大広告対策といった、先の特定商取引法や消費者契約法改正の際に先送りとなった論点については、消費者委員会専門調査会における議論を踏まえ、引き続き消費者被害の発生・拡大の防止及び救済に向けて必要な法整備を進めます。

  • 悪徳商法・特殊詐欺等による、特に高齢者や障がい者等に対する消費者被害を防止するため、地域における見守り活動の推進、消費者ホットラインの周知と利便性の向上、多様な媒体を通じた広報活動の充実・強化に取り組みます。あわせて、その担い手である消費者団体における専門人材の育成や財政面・情報面等の支援を進めます。

  • 多重債務問題を抜本的に解決するため、ヤミ金融業者など悪質業者に対する取締りの徹底やセーフティネット貸付の拡充により、消費者被害を未然に防ぎます。

食品の安全・安心の確保

  • 安全・安心な農産物・食品の提供体制を確立するため、原料原産地表示の対象を原則としてすべての加工食品に拡大するとともに、食品トレーサビリティの促進、食品添加物、遺伝子組み換え食品表示やアレルギー表示、販売の多様化にあわせた表示内容といった、消費者目線の食品表示制度の実現へ見直しを進めます。

  • 輸入食品が量・件数ともに増加しているのに対し、検査率は低下しています。輸入食品の監視体制を強化し、違反・違法食品の流通を防止するため、税関職員や食品衛生監視員等の人員確保など検疫体制を整備するとともに、トレーサビリティ制度の確立に向けて、米国の食品安全強化法など国際的動向を参考に必要な法整備に取り組みます。

  • 廃棄食品の横流し・再販売事件の再発防止に向けて、消費者庁と厚生労働省、農林水産省、環境省等の関係省庁の連携と廃棄物処理法ならびに食品リサイクル法に基づく監視・チェック機能の強化により実効性のある、製造・流通・廃棄まで一貫したトレーサビリティと監視体制の整備に取り組みます。

  • 食料廃棄の削減に向け、サプライチェーン全体の連携やフードバンク等の取り組みを支援します。

  • 特定保健用食品や機能性表示食品はじめとする、いわゆる「健康食品」については、消費者による商品の有効性や安全性についての誤認や過信が起こらないよう、科学的根拠に基づく情報公開、表示・広告の適正化等について、消費者委員会専門調査会の議論を踏まえ、制度全体の一体的な見直しを進めます。あわせて、不適切な表示の取締りを一層強化します。

電力小売自由化への対応

  • 電気小売り事業が全面自由化されましたが、電源構成や環境影響に関する情報開示については義務化されていません。電源構成等について十分な情報提供がなされなければ、消費者の知る権利・選択の権利が阻害されることになり、市場に歪みが生じます。消費者の選択に資するため、すべての電気について、電源構成等の情報開示の義務化を進めます。

公益通報者保護制度の見直し

  • 現行の公益通報者保護制度は、通報対象事実の制限や通報者の範囲が狭く、保護要件が厳しいなどの理由から、公益通報が抑制され、公益通報者が不利益な取扱いを受ける事案が生じています。消費者保護に不可欠の情報が活かされ、違法行為の是正・抑止に実効性あるものとなるよう、法改正をはじめ、制度の見直しを進めます。