参院予算委員会で4日に行われた一般質疑で大久保勉議員は、日本銀行がマイナス金利を突然導入したため、金融市場に混乱をもたらしたうえに効果が出ていないと金融政策のあり方を追及した。

 大久保議員は、1月下旬に日本銀行が突然マイナス金利導入を決定した問題に関して「ECB(欧州中央銀行)がマイナス金利を導入した時は、半年以上も前からその可能性について言及した。ところが黒田日銀総裁は1月19日、『マイナス金利が一切ない』と言明し、その10日後に(金融政策)決定会合で決めた。それでは金融機関にとって突然のマイナス金利であり、対応できないのではないか。そういった混乱についてどう思うか」と黒田総裁をただした。黒田総裁は、「ご指摘のように一部にそういった問題もあった」と認めたうえで、「今後、実体経済へ波及していくところを十分注視していく」と述べるにとどまった。

 マイナス金利導入について大久保議員は、「イールドカーブ(利回り曲線)を下げ、国債の長期金利が下がったとしても、企業が全く反応しておらず、ほとんど効果が出ていない」と指摘。経済に好影響を及ぼすには、350兆円も貯まっている企業の内部留保をいかに使わせるかであり、そのために企業の銀行預金にマイナス金利を適用すれば、企業活動に変化が生じると述べ、「メガバンクが企業の大口預金にマイナス金利を適用することを了解するか」とただした。麻生財務大臣は「各銀行の経営判断によると言わざるを得ない」と答弁し、企業預金へのマイナス金利適用を否定しなかった。