民進党結党大会・岡田克也代表就任記者会見

2016年3月27日(日)15時00分~15時43分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=8-MWwR-5qsY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○民進党結党大会を開催し初代代表に就任

【代表】
 私のほうは、先ほどあいさつの中で述べたとおりですので、それ以上加えることはないのですが、珍しく二つ失敗をしてしまいまして。
 意図したわけではないのですが、最初は民進党と「民主党」と言ってしまうとダメだなと、「民主党」と言わないように、言わないようにと思っていたら、いつの間にか「新進党」になってしまいまして。随分昔の党の党名が出てきてしまいました。
 さらに(役員人事提案で)山尾志桜里さんを飛ばしたのも意図があったわけではないのですが、これも小さい字だったものですから、確認せずにしゃべって失敗してしまいましたが、これもご愛嬌ということでお許しをいただきたいと思います。


■質疑

○「次の内閣」について

【フリーランス・宮崎記者】
 「次の内閣」だが、松野さんから一言だけ言及があったが、かなり位置づけが変わり、今までの政調会の役員会という位置づけよりも、代表が直属で「次の内閣」をつくれるようになった。また、党員及び国会議員でない人も、全体の半分未満であれば、憲法の(内閣の)規定同様に、「次の内閣」のメンバーになれるという形になったかと思う。これに関してのお考えと、早速できる「次の内閣」は、お話どおりだと100日後には本当の内閣になるが、何かサプライズ、きょう来賓の方お三方がいらっしゃったが、党員・議員以外でも起用するということはあるか。

【代表】
 今までもそれは可能だったと思います、代表が「次の内閣」の大臣を決めると。その基本構造は変わっておりません。ただ今回、規約上、「次の内閣」を決めても決めなくてもいい。つまり、そういうものを置かなくてもいいというところが違いだとご理解ください。
 メンバーについてはこれから協議したいと思います。ただ、一般的に申し上げておくと、参議院選挙までもう100日という状況の中で、維新の党から今回民進党に来ていただいた皆さんをどう位置づけるかを中心に人事をしたいと私は思いますので、大きく変えるということは考えていない。

○民進党の重要政策について

【NHK・花岡記者】
 代表はあいさつの中で、「政権可能な政治を実現するラストチャンスだ」とおっしゃった。改めて代表の口から、民進党が政権交代した上で何をする政党なのかお聞きしたい。

【代表】
 これは綱領、それから今日の結党宣言の中に明確に書いておきました。我々は「自由」、「共生」、そして「未来への責任」、この三つのキーワードで政策を作っていくことになります。
 大きく言うと、今の時代認識、我々が危機感を持っているのは、一つはやはり憲法の平和主義が揺らいでいるということです。憲法の平和主義をしっかりと、これからも守っていく、具現化していく、そういった考え方で行かなければならないと思います。
 もう一つは経済のところですが、我々は成長は大事だけれども、それをどう配分するかということが極めて重要だと考えています。既に民主党の時にいろいろな政策も打ち出していますが、再分配のところに重点を置いた経済政策。そういった再分配があって初めて持続的な経済成長も可能になる。そういう考え方で政策を考えている。

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 最近の国政選挙を見てもわかるように、さまざま争点はあるものの、やはり有権者の最大の関心は経済にあるのだという見方が多い状況にある。今ご説明があったが、アベノミクスに対抗する、パッケージとしての新たな民主党独自の経済政策を立てて選挙に臨むお考えについて伺いたい。

【代表】
 我々は経済成長そのものを否定しているわけではありません。経済成長は大事だ。しかし、それをどう再配分するかということがより大事だ。そういう考え方に基づいて再配分の政策を具体的に述べている。そういうものを一つのパッケージとしてしっかり出したいと考えています。

【フリーランス・田中記者】
 先ほど岡田代表は、富の再配分に重点を置いた政策を進めたいとおっしゃっていたが、民進党としては1%のための政治を目指すのか、それとも99%のための政治を目指すのか。

【代表】
 その設定が、1%の人に富が集中しているという前提でお聞きになっていると思いますが、アメリカは確かにそういうことはよく言われます。日本の場合の格差というのは、1%に富が集中しているということよりは、やはり中間層が下に落ちてしまっている、そういう格差だと私は思っています。そこをしっかりと、もう一回中間層の厚みをつくる。それから底支え、本当に貧困の中で苦しんでいる人達の底上げをする。そういう意味で私は「格差の是正」「富の再配分」ということを申し上げている。

○次期衆議院選挙・参議院選挙について

【共同通信・関記者】
 代表は先ほどのあいさつの中で、衆参ダブル選挙を「受けて立つ」というご発言があった。代表は常々、次期衆院選挙で政権交代を目指すという考えを強調しているが、候補者擁立を進めていると思うが、現状と、今後さらに加速する考えがあるか伺いたい。

【代表】
 現時点で190人台までは来ているということです。200ちょっと欠けるくらいの状況です。ダブル選挙の可能性があるので、その候補者の擁立をさらに進めていきたいと考えています。新しい党になりましたので、公募も新たに行いたいと考えています。

【毎日新聞・影山記者】
 先ほど「勝つつもりで選挙をする」とおっしゃっていたが、岡田代表は参院選で勝つというのはどのラインをおっしゃっているのか。あと参院選での獲得議席の目標、少し早いが、あれば伺いたい。

【代表】
 そういう議論をし出すと非常に非生産的になりますので、私はそういうことは言わない、自分で判断する。

○次期衆議院選挙・参議院選挙について

【日本テレビ・原記者】
 岡田代表は今日のあいさつでも次の選挙について、「代表として全ての責任を負って必ず結果を出す」とおっしゃった。万が一結果が出なかった場合はどのよう形をとられるのか、改めて伺いたい。

【代表】
 私は勝つつもりで選挙をやります。ただ、代表というのは衆議院選挙・参議院選挙、そういった国政選挙には責任を負うというのが私の持論です。

【文化放送・山本記者】
 「勝つつもりでいる」とおっしゃったのが、次、ダブル選になった場合、政権交代を視野にということが入るのかどうかということを確認させていただきたいのと、「勝つつもり」、政権交代を視野にということになれば、衆議院選挙の選挙協力を具体的に進めなければいけないと思うが、具体策などあれば伺いたい。

【代表】
 もちろん衆議院の選挙も、各党と話し合うということは必要になってくると思います。当然ダブル選挙になれば、我々は勝つということの意味は、それは政権交代が視野に入っているということです。

○野党連携について

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 1月の民主党大会の時の質問と重なるが、社民や生活、それ以外の政党との連携はいかが。

【代表】
 今、政党という意味で言うと、おっしゃった社民、生活が具体的に挙がると思います。それぞれいろいろなお話はしていますが、我々の新しい党に加わっていただくということになると、やはり理念・政策が一致しなければなりません。現時点では社民、生活がこの新党に加わるということは現実には挙がっていないということは申し上げておきたいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 式典を拝見していたが、社民とか共産とか、生活もだが、方向性が同じような野党で、細かいことはさて置き共闘するという立場の政党から、今回メッセージなどが届いたということはあるか。公開されていなかったようだが。

【代表】
 具体的なメッセージが届いているかどうかは私、承知していませんが。届いていれば紹介したかもしれません。私は確認しておりません。事務方に確認してください。

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 前回、民主党大会には維新の党を招待した。社民、生活を民進党として招待する気持ちがあったかどうかと、選挙協力はどのように行うか伺いたい。

【代表】
 今回、お呼びしておりません。
 それから選挙協力というのは、私も入りました5野党の代表会議(党首会談)で確認したとおりです。「国会における対応や国政選挙等あらゆる場面でできる限りの協力を行う」というのが合意事項です。そのとおりです。

【IWJ・城石記者】
 先ほどのごあいさつの中で、「国民の声に耳を傾ける」という話もあった。うちも生中継をしていたが、「共産党を排除しないでほしい」という声も来ている。先日、あらゆる選挙で共産党と協力する意思はないようなことを京都のほうでおっしゃっていたが、その辺のことも含めてどうか。

【代表】
 先ほど申し上げたとおりです。「国会における対応や国政選挙等あらゆる場面でできる限りの協力を行う」ということが確認されています。それ以上でもそれ以下でもありません。

○衆議院北海道5区・京都3区補欠選挙について

【北海道新聞・津田記者】
 4月の二つの補選が民進党にとって初めての国政選挙になるわけだが、その重要性、位置づけを、意気込みを含めて改めて伺いたい。

【代表】
 この二つの補選でしっかり結果を出すことが参議院選挙あるいはダブル選挙につながってまいります。しっかりと全党を挙げて頑張らなければいけないと思います。いずれもすばらしい候補者を擁立できていますので、必ず結果を出したいと思っています。

○憲法に対する民進党の考え方について

【産経新聞・松本記者】
 新党の綱領の中で、「未来志向の憲法を国民とともに構想する」という文言があるが、「憲法を護る」、あるいは「改正する」「改悪する」といった表現はよく耳にするが、「構想する」という表現はあまり耳なれない表現のようにも思うが、どういう意図や思いを込めて「構想する」という文言にしたのか伺いたい。

【代表】
 まさしく、憲法を具体的にどこをどうするかということを構想するということです。

○党役員人事・挙党態勢について

【千葉日報・石井記者】
 今日、元民主党や維新の党以外にも無所属の方も参加していた。千葉県だと水野賢一さんが参加していたが、こうした両党に関わっていなかった方々は、今後、公認という形になっていくのかどうか伺いたい。

【代表】
 具体的にどういう形になるかということは、これから協議して決めていきます。当然、地元の県連の意見も聞かなければなりません。現時点ではそれ以上言わないほうがいいと思います。

【読売新聞・中田記者】
 民進党の挙党態勢の構築について伺いたい。代表は「もう二度とバラバラになることはないという強い覚悟を持って結集した」と、今回の民進党への結集で、「これが最後」だと発言しているが、実際に地方組織レベルでは、過去の選挙の経緯などから旧民主党と旧維新の党の間でまだしこりが残っているところもあるし、国会議員レベルで見ても元民主党の方々に対する反発も予想されないこともないかと思う。路線対立みたいなものが出てこないために、どういったことが必要になるとお考えか。

【代表】
 それぞれ経緯のある話ですから、若干そういった、特に地方レベルでいろいろな問題があることはわかりますが、いろいろなものを乗り越えていかないと、何のために我々は政治をやっているのか。それはやはり自民党に代わる、政権を担える政党をつくるために我々は政治をやっているわけなので、その大きな目標に向かって、お互い小異を捨てて大同についたわけですから、そのことを徹底していかなければいけないと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 挙党態勢という意味で、(結党大会での)松野頼久さんの心情吐露は私は心に響くものがあって、随分男を上げたと思うが、この松野さんのここに至るまでの一連の仕事について代表はどうお考えになっているか。松野さんが代表代行を固辞したので江田憲司さんが来たという理解でいいのか。これは3代表代行になるわけだが、この機能分担を含めて、江田さんへの期待と、3代行の役割分担を挙党態勢の意味でもどうお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 従来、代表代行は担務がきちんとしたものがあるわけではなくて、代表を補佐するという意味で全体を見ていただくということが中心です。ただ、それにプラスして、例えば長妻昭さんに「共生社会」の取りまとめをお願いするとか、そういうことはありましたが、基本的には代表代行というのは全体を見るということになります。
 先ほど第1回の執行役員会を開催しました。執行役員会のメンバーは代表、3人の代表代行、幹事長、そして参議院会長、郡司彰さんです。その中でも江田さんには代表代行、かつ従来で言う維新の党を代表する形で入っていただいていますので、しっかりと活躍してもらいたいと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 3人になるわけだが、言葉の使い方として、江田さんは代表代行の中の筆頭という位置づけになるのか。それから江田さんにはどういうふうに仕事をしていただきたいのか、そこがポイントだと思う。発信力もある方なので、江田さんへの期待も含めて話を伺いたい。

【代表】
 特に代表代行3人、序列をつけているわけではありません。ただ、従来の維新の党を代表して入っていただいているということは私も当然踏まえて、いろいろなことをお願いしていきたいと思っています。もともとよく知った人ですので、あまりかた苦しくならずに、一緒にこの新しい党を引っ張っていきたいと考えています。
 松野さんは、この間1年間いろいろな会合を重ねる中でお互いの信頼関係を築き、そして今日にこぎつけた最大の功労者だと思います。本来であれば新しい党の中でしっかりと役割を果たしていただきたいと思っていましたが、本人が固辞されました。それは本人のお考えですからやむを得ませんが、いつか近い将来、また党を引っ張る役割を果たしてもらいたいと考えています。

【毎日新聞・田所記者】
 今日の新党に参加した議員は、民主、維新、改革結集の4人以外では水野さんお一人ということでよいのかということと、今後プラスの予定があるか伺いたい。

【代表】
 現時点ではおっしゃったとおりです。今回いろいろな方に打診したりお声をかけたりしましたが、今日の結果が全てだとご理解ください。

【毎日新聞・田所記者】
 先日、ラジオ日本で、いつからの構想からだったかという話で、1年前に運命づけられていたという趣旨の話があった。「運命」というところでどういう思いで話をされたか、改めて伺いたい。

【代表】
 野党第一党の代表として、野党が分裂している状況は望ましくない。したがって、理念・政策が概ね一致するということであれば、一つになるべきだと私はずっと考えてまいりました。それが今日結実して、非常にうれしく思っています。

【NHK・花岡記者】
 人事の話だが、代表代行以外の部分では、今日発表された中では山尾志桜里政調会長、安住淳国対委員長ということになると思う。この2人を起用した狙い、目的について。特に山尾政調会長は当選2期ということで異例の抜擢だと思うが、この点について伺いたい。

【代表】
 山尾さんは、途中1回、落選を挟んでいますが、私はかねてから注目して、隣県だということもあって選挙の応援などにも何回も入っております。2回目の当選を果たされた後も、例えば法務委員会の筆頭理事として非常に難しい法案の取りまとめに力量を発揮され、そしてこの予算委員会でも保育の問題で非常に切れ味のいい質疑もされました。私としては、ぜひ育てたい人材。実力ももちろん十分にありますが、プラスして育てたい人材だと思って起用した。
 安住国対委員長は今まで代理として汗をかいてこられた人で、国対委員長も既にやっておられますし、実力十分ということでお願いをした。

【日刊スポーツ・中山記者】
 山尾政調会長に関して「育てたい人材」と代表はおっしゃったが、もうちょっと具体的に教えていただきたい。どういう意味で、どういうふうに育てたい人材か。

【代表】
 間違いなく、将来のリーダー候補の一人でしょう。そういう意味です。

【日刊スポーツ・中山記者】
 将来のリーダーとして育てたいと。

【代表】
 はい。
日刊スポーツで言うと……「民主くん」の話ではなかったのですか?

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 山尾政調会長が新たな目玉だと思うが、例えば江田さんを執行部の一役に持ってくる案もあったと思うが、枝野幹事長が留任というのは何か意図があるのか。他に代わる人材がいないということか。

【代表】
 質問の意図がよくわかりませんが、人事(権)は代表にあります。全ての要素を判断して、私は枝野さんが最適任だと考えています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 岡田さんが山尾さんを選ぶとは実は私は最後まで思っていなかった。これは岡田さんは変わったのかなとも思う。それだけ期待が大きいのだと思うが、今のポケットチーフもブルーで、この群青は山尾さんの勝負服というか、よく使っている色だ。ポスターも青だ。やはり山尾さんに象徴される“女子力”というか、北海道5区も含めて、そこの意図の部分を。民進党のカラーリングは、これでブルーに決まったとか、そういうことも含めて、もう少し山尾さんのことを伺いたい。

【代表】
 この青と、山尾さんはたまたまの一致です。我々、考えていく中で、やはりこの青を民進党のイメージカラーにしようということは、今の方向性は大体そうなっています。ただ、正式に決めたわけではない。私もずっと青、好きです。他党との関係から言っても青が一番いいのではないかということで、今回のポスター、それから今日の大会は青で統一した。

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 今後、細野豪志さんを初めとした他の主要メンバーの副代表などへの役職をどういう日程で決めていくのか伺いたい。

【代表】
 人事の中身は私、申し上げるつもりはございません。ただ、日程的にはやはり今日・明日くらいで、ある程度固めていかなければいけない。国会もやっていますので。

○連合との関係について

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 連合との関係について伺いたい。連合の昨年10月の運動方針では、民主党との関係について、「民主党の支援を強化する」とうたってきたが、先日話し合われた連合の民進党に対する支援方針では、「個別政策を見定めながら連携していく」となり、従来の協力態勢を大幅にトーンダウンさせたという見方がある。これはこれとして、民進党としての連合との関係を今後どうされていくか、改めて伺いたい。

【代表】
 連合も組織ですから、相手が変われば、もう一回きちんと議論しなければいけない。そういうところがあるのは当然だと思います。ただ、綱領も変わっておりませんし、そもそも連合も今まで全ての民主党議員を同じ密度で応援していたわけではなくて、そこは産別ごとに見ると濃淡があったわけです。ですから、これからも民進党の議員に対して、連合としてそれぞれ判断をして、あるいは産別として判断をして、選挙に対する応援というものを考えていくということだと思います。

○民進党の対外政策について

【香港フェニックステレビ・李記者】
 今の政府・与党と中国との関係改善はおそらく日本にとって一番大きな課題の一つだと考えている。代表は外相もされていたが、民進党の中で今後中国との関係をどのように改善をして、対中政策をどのようにしていくか、党の中で整合性をとったようなことは今あるか伺いたい。

【代表】
 今までの民主党は、中国共産党対外連絡部と緊密な関係を築いてきました。新しい党になっても、その関係はぜひ維持したいと考えています。私自身も訪中歴はたぶん25回を超えると思いますが、近隣の重要な国でありますので、党としてもしっかりとした関係をこれからも築いていきたいと考えています。

【SBS・チェ記者】
 日韓関係、韓日関係の改善について、民進党の基本的な方針を一言伺いたい。

【代表】
 韓国は、私、民主党の代表として訪韓して大統領ともお目にかかってまいりました。基本的に日韓関係、非常に重要だという認識は、新しい党となっても全く変わりませんので、これからも緊密に連携していきたいと考えています。

【新唐人テレビ・顧記者】
 今年1月、台湾の総統選挙で政権交代を実現した政党も「民進党」という名前だ。今回名前が一緒だが、何か意味合いはあるか。また、先ほど中国との関係については伺ったが、台湾との関係の面ではどうお考えか伺いたい。

【代表】
 台湾の与党は、「民進党」は略称であって、「民主進歩党」が正式な名前だと承知をしています。我々は「民進党」が正式な名前です。我々の「民進党」と、台湾の「民主進歩党」の略称は同じなのですが、名前としては違います。特にそのことに意味はありません。
 台湾との関係も、わが党としてはさまざまな連携をしてまいりました。今までの歴史もあります。そういうものも大切にしていきたいと考えています。

○憲法に対する民進党の考え方について

【読売新聞・藤本記者】
 憲法改正について。憲法を「構想する」ということだが、その構想の場である衆参憲法審査会が今後設置された場合、議論に応じる考えはあるのかどうか伺いたい。

【代表】
 我々は議論に応じないとは言っていないのですね。ただ、一国の総理大臣の憲法観を明確にしてもらいたいと。「GHQの素人がたった8日間で作り上げた代物」と言ってみたり、立憲主義について間違った解釈をしておられるのではないかと疑わせるような発言をしておられます。そういうものをきちんと正してもらう。そうでないと、間違った方向に憲法が行ってしまうということを懸念している。

○社会保障と税の一体改革について

【読売新聞・藤本記者】
 民主党時代には自公と3党合意というものを結んだが、民進党になってこれは破棄されたと考えるのか、引き継ぐとお考えか、どちらか。

【代表】
 我々は従来から、3党合意は重要だと考えています。ただ、自民党のほうが、あるいは安倍総理ご自身が、3党合意を全く無視してきているということも事実だと思います。消費税の引き上げを先送りするということを決めた時にも、事前の相談もなく、連絡もなく、総選挙の材料に使ってしまっている。そういうことが続いておりますと、我々としても、この3党合意は事実上、自民党が破棄したのではないかと思わざるを得ない。それは非常に残念なことだと思います。
 我々はその3党合意、社会保障・税一体改革の考え方というのは重要だと。そこは引き続き思っています。

○若者世代向けの政策について

【フリーランス・横田記者】
 山尾志桜里さん抜擢の理由の一つは、保育園問題を参院選・次期総選挙で大きな争点にしたいという意思表示なのかということが一点と、奥田愛基君の来賓スピーチと合わせると、民進党は女性を含めて若者世代向けの政策を打ち出して支持を拡大すると、日本版サンダース旋風を起こすんだという狙いもあるような気がするが、その辺について伺いたい。

【代表】
 “日本版サンダース旋風”という、その中身がよくわかりませんので、コメントしづらいのですが、私もことし1月の代表質問で「若者、若者、若者」と申し上げたが、我々は被選挙権の引き下げも含めて、あるいは給付型の奨学金を作ることとか、そういったことについてもう既に提案しているし、しっかりと実現に向けて努力したいと考えています。

【フリーランス・横田記者】
 保育園問題は。

【代表】
 山尾さんには、先ほど申し上げたようなことで私としては政務調査会長をお願いしました。保育園の問題も一つではありますが、それは理由の一つ。そこで彼女が見せた力量というものも評価の一つだと思います。

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 今回、党の来賓としてSEALDsの奥田君、24歳だが、今回初めて18・19、初投票する層への訴えかけに何か取り組みで考えているか。

【代表】
 18・19歳の皆さん、18歳選挙権プロジェクトチーム、まさしく山尾さんも含めて、わが党でチームをつくって対応しているところです。その動きをさらに加速化させたいと考えています。

○TPPの審議について

【日本農業新聞・西野記者】
 後半国会ではTPPが争点になると思うが、これまで維新との関係もあって態度がはっきりしないという声もあった。これから民進党として、どのようにTPPの審議に臨むかということと、参院選で争点にしていくか伺いたい。

【代表】
 現行のTPPの案が極めて問題があるということは我々、一貫しています。そして自民党が「TPP絶対反対」と言いながら態度を翻したことも、極めて問題。説明責任をしっかり果たしてもらいたいと考えています。現時点で、まず国会、これから特別委員会の議論が始まりますので、個々の問題をしっかりと明らかにしていく。その上で協定案についてどうするかという結論が出てくるのだと考えております。極めて問題があるということは、我々一貫している。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 今の話と関連する部分もあるが、改めて、党のまとまりという部分について伺いたい。政権を目指す上で政策のすり合わせを、今までも進めてきた部分もあると思うが、基本政策をとっても、TPPや憲法、消費税の来年4月の引き上げなど、党内の意見で温度差があるのも事実だと思う。幅があるのはいいが、その中で一つの結論を出していくということについて、どういうふうにリーダーシップをとっていくのか。それから党内の意見をどういうふうにまとめていくのか。その辺のことを伺いたい。

【代表】
 今おっしゃったことについて、今、党の中で何か問題が生じているとは思っておりません。一つ一つの問題について丁寧に党の中で議論し、最終的には私が判断していきたいと考えています。

○「民主くん」の処遇について

【日刊スポーツ・中山記者】
 先ほど代表もちょっとおっしゃったが、マスコットの「民主くん」だが、今日は党大会には来ていないが、今後どういう処遇になるのか、決まっていることを伺いたい。

【代表】
 特に決まったことはございません。今日は、来ないように言いつけてありますので、来なかったと思います。おそらく党のマークが変わりますので、そうすると残念ながら、彼が公認の位置づけだということにはならないと思います。ただ、非公認の生活が長かったので、別に非公認になってもめげることなく、しっかり活動してくれるのではないかと思います。改名についても本人が考えているということなので、私としてはその本人の決断を待っているところです。「進くん」という名前に変えるということですね。こちらは強制しておりません。

○新党のマーク・キャッチフレーズについて

【共同通信・関記者】
 党名の浸透について伺いたい。「民主くん」の話も出たが、ロゴマークの決定も近くあるということだが、現時点ではまだ行われていない。綱領や結党宣言には、「自由」「共生」「未来への責任」というキーフレーズが入っているが、民主党政権交代時には「コンクリートから人へ」といったキャッチフレーズもあった。新しい党を浸透させる上での基本的な考えと、そういったキャッチフレーズなどを今後考えていくことはあるか伺いたい。

【代表】
 まず党名をしっかりと理解していただくための努力が必要だと思います。
 シンボルマークというか党のマークについては、慎重な手続を経るということになると、1ヵ月ぐらいはかからざるを得ないということだと思っております。いずれにしろ党名チーム、これは江田憲二さん・赤松広隆さん中心にやってきていただいたのですが、そこでこれから引き続きシンボルマークの決定に向けて努力してもらいたいと考えています。
 いろいろなキャッチフレーズは、これは政策についてのキャッチフレーズですから、マニフェストの作成と並んで決めていくことになると思います。新しい党がスタートしましたので、もうコンテンツとしてはあるのですが、これをどうマニフェストにまとめていくかという作業は、これから長妻代表代行を中心に進めてもらいたいと考えているところです。私の思い入れも随分ありますので、しっかりとコミュニケーションをとりながら、いいマニフェストを作っていきたいと考えています。